英彦山参道(福岡県添田町) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
「女性の活躍」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」。安倍晋三首相はこの3つを掲げた。すべてに共通する『解』となるのが、働き方の見直しだ。今こそ、長年の宿題に終止符を打ちたい。
【日経への問い合わせ】
論説委員 辻本浩子様
11月22日付の「中外時報」についてお尋ねします。
記事で辻本様は「『女性の活躍』『希望出生率1.8』『介護離職ゼロ』。安倍晋三首相はこの3つを掲げた」と書いておられます。しかし、いわゆる「新3本の矢」として首相が掲げたのは「GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」ではありませんか。10月の会見でも、首相はこの3つを挙げた上で「3つの大きな目標に向かって新しい3本の矢を力強く放つ」と述べています。
安倍政権が「女性の活躍」を目指しているのは確かでしょうが、「女性の活躍」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」と並べた後に「安倍晋三首相はこの3つを掲げた」と書くのは誤りではありませんか。控え目に言っても、誤解を招く説明だと思えます。辻本様の見解を教えてください。
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辻本論説委員も「新3本の矢」に「女性の活躍」が入っていないのは分かっているはずだ。しかし、「GDP600兆円」にしてしまうと「働き方の見直しが解になる」とは言いづらい。なので「女性の活躍」とすり替えたのではないか。だとすると、まさにご都合主義だ。新3本の矢に「女性の活躍」が入っていると本気で思っていたのならば、書き手としての基礎的な資質が疑われる。
ついでに言うと「長年の宿題に終止符を打ちたい」という表現も引っかかった。間違いではないが、「宿題に終止符を打つ」とはあまり言わない気がする。
この記事に関しては、もう1点指摘をしている。記事と問い合わせは以下の通り。
【日経の記事】
両立の大切さは、過去に何度も指摘されてきた。女性の活躍のためだけではない。女性が仕事か子育てかの二者択一を迫られること、男性の育児への関わりが少ないことが、少子化の大きな原因とされるためだ。だがこちらの状況も厳しい。合計特殊出生率は14年、1.42と、9年ぶりに低下した。
【日経への問い合わせ】
付け加えると「女性が仕事か子育てかの二者択一を迫られること、男性の育児への関わりが少ないことが、少子化の大きな原因とされる」という記事中の説明にも疑問が残ります。「昔の女性は仕事と子育てを今よりも容易に両立できた」「昔の男性は今よりも積極的に育児へ関わっていた」というのならば分かります。しかし、どちらかと言えば逆ではありませんか。だとすると、記事の説明では辻褄が合いません。
日本の場合、「男性が外でバリバリ働き育児は妻任せ、女性は寿退社して家事・育児に専念」というスタイルが一般的だった時代の方が、出生率は高かったのです。次に記事を書く上での参考にしてください。
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女性の労働参加率が高まることが出生率の上昇要因なのか低下要因なのかは議論が分かれるところではある。ただ、日本に限って言えば、年齢が下になるほど男性も育児に協力的という傾向はあるだろう。なのに、なぜ出生率は低水準なのか。その辺りを辻本論説委員には考えてほしい。
※問い合わせへの回答はないとの前提で、記事の評価はD(問題あり)とする。辻本浩子論説委員への評価もDを維持する。辻本論説委員に関しては「理工系女性増やすべき? 日経 辻本浩子論説委員に問う」も参照してほしい。
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