2015年10月11日日曜日

基礎知識が欠如? 日経 小平龍四郎編集委員への疑念(1)

日経の小平龍四郎編集委員は基礎的な知識が欠如した状態で記事を書いているのではないか。そう思わせる記事が11日の日経朝刊総合・経済面に出ていた。「けいざい解読~銀行の個性奪う金融規制強化 市場不安定化の要因に」という記事の中で、小平編集委員は「TLAC」を「経営破綻時に債券から株式にふり替わり損失を吸収する特殊債務」と説明している。しかし、これは誤りの可能性が極めて高い。
福岡城跡(福岡市中央区) ※写真と本文は無関係です

問題のくだりは以下の通り。

【日経の記事】

11月にトルコのアンタルヤで開催予定の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に向け、世界の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)が新しい自己資本比率規制の最終案を固めた。経営破綻時に債券から株式にふり替わり損失を吸収する「TLAC」と呼ばれる特殊債務の導入を、巨大金融グループに義務づける内容だ。


日経には以下の内容で問い合わせを送った。回答はないだろう。


【小平編集委員への問い合わせ】

小平龍四郎編集委員は記事中で「経営破綻時に債券から株式にふり替わり損失を吸収する『TLAC』と呼ばれる特殊債務の導入を、巨大金融グループに義務づける内容だ」と書かれています。TLACに関するこの説明は誤りではありませんか。TLACは「総損失吸収能力=total loss-absorption capacity」のことであり、「特殊債務」の名称ではありません。破綻時に株式へ変換できる債券もTLACに含められますが、普通株などの自己資本もTLACとして算入されるようです。TLACと認められるのが「経営破綻時に債券から株式にふり替わり損失を吸収する特殊債務」だけならば、記事のような表記でも大きな問題はないかもしれません。しかし、記事の説明だと「TLACとして認められるのは特殊債務のみ」との誤った印象を読者に与えてしまいます。

記事の説明に問題ないと判断されているのであれば、その根拠も併せて教えてください。お忙しいところ恐縮ですが、早めの対応をお願いします。


記事の問題点は他にもある。それらについては(2)で取り上げる。

※(2)へ続く。

追記)結局、回答はなかった。

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