2015年9月4日金曜日

日経 宮東治彦デスクへの助言 1面「働きかたNext」(2)

4日の日経朝刊1面「働きかたNext~若者が問う(5) 地方は都落ちじゃない 『等身大』が活力生む」に関して、担当の宮東治彦デスクへの助言を続ける。

アムステルダムの国立美術館 ※写真と本文は無関係です

◆宮東治彦氏への助言  ※(1)からの続き

今回の4つの事例で最も要らなさそうなのが以下の宮崎の話です。

【日経の記事】

「デュアルライフ採用」。宮崎市のIT企業、アラタナは一風変わった制度で若者を募る。1年間は東京、宮崎でそれぞれ希望の日数で働けるよう配慮する仕組みだ。

平田あずさ(26)は昨夏、求人サイト運営のリブセンスに1カ月間出向した。「東京は刺激的だったが、田舎で働く良さも感じた」と話す。あえて宮崎に囲い込まず、多様な働き方を認める柔軟さが若者をひき付ける。


なぜ上記の話が不要かと言えば、大した試みではなさそうだからです。「1年間は東京、宮崎でそれぞれ希望の日数で働ける」ことに何か意味があるでしょうか。宮崎に移住したいと考える若者にとっては、ほとんどメリットがありません。「アラタナはいい会社のようだが、東京を離れるのがちょっと…」という若者であれば、「1年限定ですが、希望する日数は東京で働けますよ」と言われても、「1年だけじゃ少なすぎる」と思ってしまうでしょう。

そこで、この事例が削りの候補となります。全体の行数の枠が変わらなくても、事例を1つ減らせばこれまでに指摘してきた説明不足を解消できます。

あくまで一般論ですが、今回ぐらいの行数であれば事例は3つでも多いでしょう。3つにするならば、3つ目はごく簡単に紹介できるものに限ります。今回のように4つの事例を詰め込んで、統計数字や識者コメントまでねじ込めば、説明不足が起きるのは必然です。

社内で上の顔色をうかがうことを優先すれば、「事例をたくさん入れてアピール」でいいかもしれません。しかし、それを続けている限り、記事の完成度は頑張っても「そこそこ」止まりです。

(3)では、今回の記事に関して他にもいくつかツッコミを入れておきます。参考にして今後に生かしてください。


※(3)へ続く。

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