【日経の記事】
北海に近いハーグ(オランダ)のカイゼル通り ※写真と本文は無関係です |
穀物に資金が流入している。米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめた米国内各取引所の建玉明細によると、シカゴ市場のトウモロコシは6月30日時点で11万569枚(1枚=5000ブッシェル)の買い越しとなった。
トウモロコシが買い越しとなるのは4月下旬以来で、小麦や大豆も買い越しとなった。ファンド筋が買い戻しに動いたとみられる。投機筋は潤沢な在庫を理由に売り持ち高を増やしていた。ギリシャの財政危機や中国景気減速でほかの商品取引を手がけにくいなか「消去法で農産物に買いが集まっている」(資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表)側面もある。
記事を読む限り「シカゴのトウモロコシ市場は全体として買い越し」と判断するしかない。繰り返し指摘しているのだが、市場全体では売り建玉と買い建玉の残高は常に同数だ。記事の言う「買い越し」とは「投機筋(非商業部門)の買い越し」だろう。
ロイターやブルームバーグなど他のメディアはきちんと書いているのに、なぜ日経にはできないのか。説明が下手と言うより、デスクも含めて先物市場の仕組みを理解していないのだろう。日経には間違い指摘をした上で、「担当記者・デスクに指摘を届けてほしい」と伝えているが、握りつぶしているのかもしれない。元々、読者の問い合わせにまともな回答はしないのだから、読者の声を編集局内に伝える労を惜しんでいても不思議ではない。
もしそうならば、間違った記事を読まされる読者だけでなく、きちんと教育されないまま記事を書き続ける商品部の記者も被害者に思えてくる。この記事を書いた記者も「間違った情報を垂れ流し続けたい」とは思っていないはずだが…。
※記事の評価はE(大いに問題あり)。
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