2015年7月2日木曜日

最優秀記事は「住友不動産“非常識経営”の功罪」 4~6月

経済メディアの記事について、2015年4~6月期の「最優秀」と「最悪」を決めたい。あくまで「自分が読んだ記事の中では」という条件付きだ。読んでいない記事の方が圧倒的に多いのは言うまでもない。


◇最優秀記事

「特集2 住友不動産“非常識経営”の功罪」(ダイヤモンド4月11日号)  筆者=松本裕樹記者

4~6月に読んだ記事の中では断トツの出来だと思える。10ページの長い特集で、ツッコミどころもほぼなかった。批判精神をしっかり持って住友不動産の経営の問題点を洗い出し、その上で同社の強みも冷静に分析できていた。「こういう記事を書け」と若手記者に手本として読ませたくなるような記事だった。
ヴェンツェルの環状城壁(ルクセンブルク) ※写真と本文は無関係です


◇最優秀執筆者

松本裕樹記者(週刊ダイヤモンド)

上記の住友不動産の記事を書いた松本記者を最優秀執筆者に選んだ。これに関しては、ダイヤモンドでコラム「金融市場 異論百出」を連載している加藤出氏(東短リサーチ社長)とどちらにするか迷った。

加藤氏は週刊エコノミスト7月7日号でも「金利・債券 金融規制で流動性低下 高まる金利急騰のリスク」という記事を2ページにわたって書いていた。ライターが本業ではないのに、執筆量の多さに驚かされる。しかも質は高いし、内容のダブり感もない。加藤氏に関しては、書き手としてA(非常に優れている)と評価するしかない。



◆最悪記事


「オピニオン縦横無尽~憲法九条の下で無力な国にとどめたい理屈抜きの反日論説に惑わされるな」(週刊ダイヤモンド5月30日号)  筆者=櫻井よしこ氏

6月13日号に載った訂正記事も含めて、上記記事を4~6月の最悪記事に認定する。記事では「スイスは男女を問わず、国民は徴兵の義務を負う。60歳を超えると、毎年、年代層に応じて数日間の軍事訓練を受ける義務も負う」と書いたが、「男女を問わず」も「60歳を超えると」も誤りだった。

この2点を訂正したのはいいが、誤って「60歳を超えると」を「60歳になるまでは」に訂正してしまった。そして再訂正には応じず、ダイヤモンド編集部も櫻井よしこ氏も訂正記事への間違い指摘については黙殺を決め込んでしまった。この件に関しては「ダイヤモンド編集長へ贈る言葉」「櫻井よしこ氏へ 訂正の訂正から逃げないで」などを参照してほしい。


◆最悪執筆者

櫻井よしこ氏

理由は説明するまでもないだろう。櫻井氏が書き手としての基礎的資質を欠くのは間違いない。改めて1日も早い引退を勧告する。

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