週刊東洋経済の西村豪太編集長がプーチン大統領を批判した上で「よきガバナンス」の大切さを説いている。読者からの間違い指摘を当たり前のように無視してきた西村編集長こそ「よきガバナンス」の対極にいるのではないか。3月19日号の「編集部から」で西村編集長が書いた全文は以下の通り。
有明海 |
【東洋経済の記事】
ウクライナでのロシア軍の暴虐ぶりはエスカレートする一方です。プーチン大統領の行動は擁護が不可能な段階に来ました。一介の情報機関員がここまでの独裁者に成り上がったのは実に不思議ですが、彼に権力を集中することで得をする人がそれなりにいたからでしょう。
独裁が長期化すると、トップにモノを言える人がどんどん減り、果ては裸の王様になります。その危うさがまた人を遠ざける負の連鎖の下で、トップの持つ情報が著しく偏ったのは想像にかたくありません。ロシア政治だけではなくどこにでも当てはまります。組織がよきガバナンスを維持することの大切さを改めて痛感しています。
◎悪い冗談では…
悪い冗談ではと言いたくなるような内容だ。
読者からの間違い指摘を無視し続けることは西村編集長にとって「よきガバナンス」なのか。記事中のミスを放置するのは「よきガバナンス」の結果なのか。
前号の記事に関しても1週間前に間違いを指摘したが回答はない。訂正も出ていない。そもそも週刊東洋経済は誌面に訂正を出さない。
目次のところに「訂正についてはhttp://str.toyokeizai.net/magazine/toyo/をご覧ください」と小さく出ているだけだ。
ホームページを開いても「訂正一覧」のような場所があって、過去の訂正が一気に見られる訳ではない。そもそも、どうやって訂正を見つければいいのかの案内もない。
訂正を探そうする場合、バックナンバーの目次をそれぞれ開いて確かめるしかない。訂正があれば目次の一番下に出てくる。これも、そのバックナンバーの目次を開かないと見えない仕組みになっている。
この辺りにも西村編集長の気持ちがよく出ている。
「記事に間違いがあれば読者にきちんとお知らせしなければ」という意識はないはずだ。「本当ならば訂正なんかなしにしたい。そうもいかないので、できるだけ探しにくい場所に申し訳程度に載せておけ」といった考えなのだろう。これも「よきガバナンス」の表れなのか。
中身を見ると数字や固有名詞に関する訂正が多い。自分たちの実力不足を晒すような本格的な訂正は、目立たない場所であっても載せたくないのだろう。なので多くの間違い指摘を無視する対応がやめられない。
東洋経済の編集部にも、この状況をおかしいと感じる記者はいるはずだ。しかし西村編集長という「トップにモノを言える人」はいないのだろう。いても西村編集長が耳を貸すとは思えない。
それでも伝えたい。「組織がよきガバナンスを維持することの大切さを改めて痛感して」いるのならば、読者からの間違い指摘には真摯に対応しよう。
ミスがあったのならば認めて訂正を出す。問題がないと判断したのならば、その旨を説明する。それだけの話だ。そんなに難しくはない。
前号に関する間違い指摘を改めて載せておく。これに回答することから「よきガバナンス」を始めてはどうか。このまま「悪しきガバナンス」を続けて良いのか自問してほしい。
「人の振り見て我が振り直せ」
西村編集長には改めてこの言葉を贈りたい。「プーチン大統領の行動」から学べば、自分が何を変えるべきかは見えてくるはずだ。
【前号に関する東洋経済への問い合わせ】
週刊東洋経済 編集長 西村豪太様
3月12日号の「Inside USA/FROM The New York Times~ロシアのウクライナ侵攻で問われるNATOの存在意義」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは以下のくだりです。
「ロシアがウクライナの占領、およびベラルーシの基地を維持することに成功した場合、ロシア軍はバルト海とポーランドの国境からスロバキア、ハンガリー、ルーマニア北部まで広がり、NATOにとって東側の国境防御が著しく困難になる」
記事の説明を信じれば「ウクライナの占領、およびベラルーシの基地を維持することに成功した場合」には「スロバキア、ハンガリー、ルーマニア北部」にも「ロシア軍」が駐留するはずです。しかし3カ国はNATO加盟国です。「ウクライナ」と「ベラルーシ」が「ロシア軍」の勢力下に入ったとしても、同時に隣国の3カ国まで「ロシア軍」が「広が」るとは思えません。
「The New York Times」の説明が間違っている可能性もありますが、誤訳ではないかと見ています。「バルト海とポーランドの国境」という表現も「バルト海とポーランド」の間に「国境」がある訳ではないので、やや意味不明です。その辺りも含めて、筆者が何を言いたいか推測してみました。
「ロシア軍はバルト3国から、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアまで、これらの国の目前に広がり、NATOにとって東側の国境防御が著しく困難になる」
この説明ならば腑に落ちます。「スロバキア、ハンガリー、ルーマニア」にも「ロシア軍」が広がると取れる記述は誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も教えてください。
同じ号の「編集部から」で「フェイク情報が横行する時代に『合理的な思惟』を支えるための報道の重要さを肝に銘じています」と西村様は記しています。
しかし御誌では、読者からの間違い指摘を無視して記事中のミスを放置する対応が常態化しています。それは「フェイク情報が横行する時代」に「フェイク情報」を放置する行為です。「合理的な思惟」に頼れば、編集長として何をなすべきか見えてくるはずです。
まず基礎を固めましょう。今回の問い合わせに回答することから始めてみませんか。「報道の重要さを肝に銘じ」るのは、それからで十分です。
◇ ◇ ◇
※今回取り上げた記事「編集部から」
※記事の評価はD(問題あり)。西村豪太編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)を据え置く。西村編集長に関しては以下の投稿も参照してほしい。
道を踏み外した東洋経済 西村豪太編集長代理へ贈る言葉
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/12/blog-post_4.html
「過ちて改めざる」東洋経済の西村豪太新編集長への手紙
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/10/blog-post_4.html
訂正記事を訂正できるか 東洋経済 西村豪太編集長に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/10/blog-post_25.html
「巨大地震で円暴落」?東洋経済 西村豪太編集長のウブさ
http://kagehidehiko.blogspot.com/2017/01/blog-post_19.html
金融庁批判の資格なし 東洋経済の西村豪太編集長
http://kagehidehiko.blogspot.com/2017/03/blog-post_19.html
「貿易赤字の解消」で正解?東洋経済 西村豪太編集長に問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_72.html
編集長時代はミス黙殺 コラムニストとしても苦しい東洋経済 西村豪太氏https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/12/blog-post_24.html
ミス放置を続ける東洋経済 西村豪太編集長が片付けるべき「大きな宿題」https://kagehidehiko.blogspot.com/2021/03/blog-post_6.html
ミス放置を続ける東洋経済の西村豪太編集長こそ「当事者能力なきトップ」では?https://kagehidehiko.blogspot.com/2021/07/blog-post_6.html
「なぜ道を誤ったのか」東洋経済の西村豪太編集長は自分の経験を後世に伝えようhttps://kagehidehiko.blogspot.com/2021/12/blog-post_13.html
ロシア軍が「スロバキア、ハンガリー、ルーマニア北部」に? 東洋経済へ問い合わせhttps://kagehidehiko.blogspot.com/2022/03/blog-post_9.html
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