男女平等主義者の自分としては、国立女子大を前向きに紹介する記事は評価できない。しかし、その手の記事を時々目にする。2日の日本経済新聞朝刊にも載っていたので、記事に付いていた「ご意見・情報」を求めるメールアドレス宛に意見を送ってみた。
夕暮れ時の筑後川 |
【日経に送った意見】
日本経済新聞社 山根昭様
2日の朝刊大学面に載った「『工学女子』女子大も育てる~奈良女子大 技術者リーダーに/お茶の水女子大 文理系越えコラボ」という記事について意見を述べさせていただきます。
典型的な性差別制度である「国立女子大2校」の動きを紙面で前向きに紹介するのは好ましくないと思えます。日本には男子大学がありません。一方、女子大は多数存在します。私立女子大の存在が性差別かどうかは微妙ですが、国立男子大がないのに「国立女子大2校」が存在するのは明らかな性差別です。
日本では男性という理由で国立大の選択肢が狭められています。「国立女子大2校」を共学化するか国立男子大を2校設けるか。性差別の解消が求められます。しかし、記事にはそうした問題意識が全く感じられません。山根様が性差別を容認する立場ならば、「国立女子大」という性差別制度を温存してもよいと考える理由に触れてほしかったです。
記事中の以下の記述にも、性差別を容認する山根様の意識を感じました。
「芝浦工業大学は2割弱を占める女子学生の比率を27年度に3割超に引き上げる目標を掲げ、22年度に入学する女子のうち優秀な100人超に28万円を給付する制度を開始。大阪大学も工学部や基礎工学部、理学部に今春入学する女子学生を対象に入学支援金を支給する制度を始める。入試の成績が秀でた50人にそれぞれ20万円を渡す」
同程度に「優秀」であっても男性であれば「28万円を給付する制度」は利用できない。「入試の成績が秀で」ていても男性だと「入学支援金を支給」してもらえない。そういうことならば明らかな性差別です。私立大である「芝浦工業大学」はともかく、国立大の「大阪大学」まで性差別制度を導入しているのであれば残念です。しかし山根様は上記の取り組みを好ましい動きと捉えていませんか。
女性に支援が偏る現状を「芝浦工業大学」や「大阪大学」の学生はどう感じているのでしょうか。山根様もそうかもしれませんが「性差別はあって当然」という意識が浸透しているのでしょうか。
今後は、その辺りの問題意識を持った上で記事を書いていただけると幸いです。
◇ ◇ ◇
※今回取り上げた記事「『工学女子』女子大も育てる~奈良女子大 技術者リーダーに/お茶の水女子大 文理系越えコラボ」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220202&ng=DGKKZO79742980R00C22A2TCN000
※記事の評価はD(問題あり)。山根昭記者への評価も暫定でDとする。
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