新型コロナウイルスに関して韓国の動向は参考になる。その意味で30日の日本経済新聞朝刊国際面に載った「韓国の接種証明、半年で失効~死者最多で3度目促す 期限切れなら行動制限」という記事は興味深く読めた。記事の説明が大筋で正しいとすれば「ワクチンに大した効果はない。日本での感染者数急減の要因をワクチンに求めるのは間違い」と示唆している。
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記事の一部を見ていこう。
【日経の記事】
韓国政府は29日、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者に付与していた「接種証明」に半年間の有効期限を設けると発表した。韓国では接種完了者が感染するブレークスルー(突破)感染が6割を超え、新規感染者や重症者、死者の人数が過去最多水準となっている。欧州に続き期限設定で追加接種を促す動きがアジアでも出てきた。
中略)韓国政府はワクチン接種率が70%を超えたのを受けて、11月1日に「日常回復」を掲げて飲食店利用などの行動制限を大幅に緩和した。結果的に街には人があふれ、17日には1日あたりの最多感染者数を2カ月ぶりに更新。24日には4115人の新規感染者が確認された。死者数も過去最多水準が続く。
◎アストラゼネカに原因を求めても…
「韓国では接種完了者が感染するブレークスルー(突破)感染が6割を超え」たらしい。「ワクチン接種率が70%を超え」る程度のようだ。これらを比較すると「ワクチン」の「感染」予防効果は非常に弱いと思えてくる。
「新規感染者」だけでなく「重症者、死者の人数が過去最多水準となっている」のだから重症化や死亡を防ぐ効果も乏しいと見るべきだろう。「ワクチン接種率」でほぼ同レベルの日本はここから学ぶべきだ。
「ワクチン」には大きな効果があると信じたがる人は「アストラゼネカ製のワクチンがダメなんだ。日本とは違う」と考えるかもしれないが、そこも苦しい。
【日経の記事】
防疫当局は英アストラゼネカ製のワクチンの予防効果低下も指摘している。アストラ製ワクチンの中和抗体量が接種完了後3カ月で半分以下に減少したと発表。米ファイザー製は5カ月で半減したという。韓国では接種完了者の27%に相当する1100万人がアストラ製を接種しているため足元の感染拡大のひとつの要因となった可能性がある。
◎違いが小さすぎる
「アストラ製ワクチンの中和抗体量が接種完了後3カ月で半分以下に減少したと発表。米ファイザー製は5カ月で半減したという」と記事では書いている。「半減」するまでの期間が「3カ月」と「5カ月」。似たようなものだ。いずれにしても「半減」する。しかも「接種完了者の27%」しか「アストラゼネカ製」を接種していない。
「足元の感染拡大のひとつの要因となった可能性」がゼロとは言わないが、メインの要因と見るのは無理がある。「新規感染者や重症者、死者の人数が過去最多水準」の韓国と、ほぼゼロコロナの日本の差は決定的だ。これを「接種率」が同水準の「ワクチン」で説明しようとする人の気が知れない。
※今回取り上げた記事「韓国の接種証明、半年で失効~死者最多で3度目促す 期限切れなら行動制限」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20211130&ng=DGKKZO77991060Z21C21A1FF8000
※記事の評価はC(平均的)。細川幸太郎記者への評価はD(問題あり)からCへ引き上げる。細川記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
記事の柱を意識してる? 日経 細川幸太郎記者「LG系、TV液晶韓国生産中止」https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/02/lgtv.html
「北朝鮮、日本上空越える『発射』を示唆」で感じた日経とNHKの実力差https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/11/nhk.html
適法でも「ライドシェア起訴」? 理解に苦しむ日経 細川幸太郎記者の記事https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/11/blog-post_9.html
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