2021年7月4日日曜日

ミス放置常習犯の日経が「性懲りもない三菱電機の不正」と社説で訴えても…

「どの口が言う」とはこのことだろう。4日の日本経済新聞朝刊総合1面に載った「性懲りもない三菱電機の不正」という社説では「不祥事が止まらない」三菱電機をしっかり批判している。「落ちた犬は叩けるが、落ちる前には叩けない」という日経の特徴も出ているが、それは良しとしよう。そもそも日経には三菱電機を批判する資格があるのか。社説の前半を見た上で論じたい。

筑後川昇開橋

【日経の社説】

「企業は社会的な存在」というイロハのイを忘れてしまったのだろうか

今年設立100年の節目を迎えた三菱電機で検査不正をはじめとする不祥事が止まらない。不正の公表プロセスにも疑問がある。杉山武史社長は2日、引責辞任する意向を表明したが、トップの去就で問題は解決しない。原因解明と再発防止を徹底しなければ、名門企業の再浮上は難しいだろう。

今回発覚したのは、鉄道車両用の空調装置と、同じくブレーキやドアを動かすための空気圧縮装置をめぐる検査の不正だ。

鉄道会社との契約で定めた所定の検査手順を相手の了承なしに変更しただけではない。専用プログラムで架空の検査結果を生成し、それを相手に報告するという偽装工作まで施していた。

同社は「結果として安全性に問題はなかった」と繰り返すが、なぜこんな手の込んだまねを、長期間にわたり続けてきたのか。組織文化や現場のコミュニケーションに重大な問題があったのは想像に難くなく、原因解明なしには再発防止も絵に描いた餅だろう


◎日経は「イロハのイ」が分かってる?

『企業は社会的な存在』というイロハのイを忘れてしまったのだろうか」と冒頭で訴えている。記事の誤りに関する読者の指摘を当たり前のように無視して多くのミスを放置する新聞社があったとしよう。この新聞社は「『企業は社会的な存在』というイロハのイ」をしっかり認識していると言えるだろうか。

記事に誤りがあるのは仕方がない。とは言え、間違い指摘を受けた場合はきちんと回答し、誤りがあれば訂正記事を載せるのが当然だ。記事に書いてあることが基本的には正しいと思って読者は新聞に目を通している。間違い指摘を無視してミスを放置する新聞社は「社会的な存在」としての責任を果たしているとは言い難い。

その新聞社に該当するのが日経だ。「『新聞社は社会的な存在』というイロハのイを忘れてしまったのだろうか」と言われても仕方がない。「間違い指摘を無視してミスの放置を続けてきた我々は正しいのです」と堂々と主張できる日経関係者はいないだろう。

なのになぜこんな対応を「長期間にわたり続けてきたのか」。「組織文化や現場のコミュニケーションに重大な問題があったのは想像に難くなく、原因解明なしには再発防止も絵に描いた餅」だ。

問題の存在を認めて社長が「引責辞任する意向を表明した」三菱電機の方が先を行っている。日経にとってはむしろ見習うべき存在だ。自分たちはなぜ「イロハのイを忘れてしまった」状態から抜け出せないのか。

まずはそこを考えるべきだ。


※今回取り上げた社説「性懲りもない三菱電機の不正

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210704&ng=DGKKZO73553180T00C21A7EA1000


※社説の評価はD(問題あり)

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