今回はプレジデント10月30日号に載った「保健所座談会~『おい、共産党! PCR検査を増やせば医療は崩壊する』」という記事を取り上げたい。問題はこの見出しだ。「おい、共産党!」はかなり強い表現だ。それでも「座談会」でそういう発言が実際に出たのならば許容範囲ではある。しかし記事を読むと話が違ってくる。
筑後川と夕陽 ※写真と本文は無関係です |
見出しの基となったと思われる女性「保健師」の「Cさん」の発言は以下の通り。
【プレジデントの記事】
(世田谷モデルは)意味なしの極みですね。世田谷区医師会がホームページで「世田谷モデル事業と、世田谷医師会PCR検査センターは全く関係ありません」と否定していました。さらに、共産党もPCR検査を増やせと政府に申し入れしたそうですね。もう検査しろっていう人たちを見ると、「あ、コロナ脳」としか思えません。頭が悪い。
◎無理がありすぎでは?
この発言から「おい、共産党! PCR検査を増やせば医療は崩壊する」と見出しに取ってよいだろうか。まず「おい、共産党!」といった言葉遣いを「Cさん」はしていない。「PCR検査を増やせば医療は崩壊する」とも言っていない。どう考えても無理がある。
「医療は崩壊する」という話は別のところに出てくる。そこも見ていこう。
【プレジデントの記事】
C:コロナの厄介なところは入院すると1~2カ月は出られないところ。長いんですよね。回復するまでが。ICUを長期間独占してしまいます。そうなると自然と病床が埋まってしまう。
B:第3波が来たらどうなるか……考えるのも恐ろしいよ。
C:ついに医療崩壊でしょうか。震えます。
A:ベッド数が埋まってきているのは、やばいよな。小池都知事、「ベッドが足りないから、独自で作る」と言ってなかったか。あれ、どうなった。
◎「PCR検査を増やせば」ではないような…
「第3波が来た」時の「医療崩壊」を心配しているのは分かる。しかし「PCR検査を増やせば」といった話ではない。なのにどうして見出しが「おい、共産党! PCR検査を増やせば医療は崩壊する」となってしまうのか。作り手のモラルの低さを感じる。
※今回取り上げた記事「保健所座談会~『おい、共産党! PCR検査を増やせば医療は崩壊する』」
※記事の評価はD(問題あり)
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