2020年10月20日火曜日

スウェーデンは「当初から集団免疫を目指した」と日経は言うが…

新型コロナウイルスに関して「スウェーデン」は「当初から集団免疫を目指した」のだろうか。これは誤解だとの指摘が多い。日本経済新聞も記事でそうした見方を紹介していた。しかし19日の記事では「当初から集団免疫を目指した」と言い切っている。日経には以下の内容で問い合わせを送った。

彼岸花と耳納連山(久留米市)
    ※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

19日の日本経済新聞朝刊科学技術面に載った「ブラジルの都市で『集団免疫』成立か~コロナで論文、持続性は不明」という記事についてお尋ねします。

この中に「高い抗体保有率は感染拡大の裏返しでもある。マナウス地域では住民1000人に1人の割合で死亡した。死亡者が多い米国、当初から集団免疫を目指したスウェーデンでも同0.6人前後」との記述があります。これは「集団免疫でなく持続性追求~元駐スウェーデン大使 渡辺芳樹氏」という7月10日付の御紙の記事と矛盾します。この記事で「渡辺芳樹氏」は以下のように述べています。

スウェーデンは今回の新型コロナウイルス対策で集団免疫を獲得する戦略をとったわけではない。一時は70歳以上に外出自粛勧告を出し、規制を順次強め50人以上の集会も禁止した。ただ、欧州のほかの国のような都市封鎖(ロックダウン)はしなかった

こちらを信じれば「スウェーデン」は「集団免疫を獲得する戦略をとったわけではない」はずです。他のメディアの報道なども併せて考えると「渡辺芳樹氏」の説明に分がありそうです。

当初から集団免疫を目指したスウェーデン」との記述は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も教えてください。

御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。


◇   ◇   ◇


※今回取り上げた記事「ブラジルの都市で『集団免疫』成立か~コロナで論文、持続性は不明

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20201019&ng=DGKKZO65091910W0A011C2TJM000


※記事の評価はD(問題あり)。スウェーデンの集団免疫に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「スウェーデンは日常を変えない集団免疫戦略」? 日経 矢野寿彦編集委員に問うhttps://kagehidehiko.blogspot.com/2020/07/blog-post_18.html

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