2020年7月10日金曜日

日経「悠々球論~『侍投手』責任持たせてこそ」に感じる権藤博氏の限界

「野球評論家の権藤博氏にコラムを任せるのはそろそろやめた方がいい」と以前に訴えた。9日の日本経済新聞朝刊スポーツ面に載った「悠々球論~『侍投手』責任持たせてこそ」という記事を読んで、改めて同氏の限界を感じた。
大雨で増水した大分県日田市の三隈川(筑後川)
           ※写真と本文は無関係です

問題のくだりを見ていこう。

【日経の記事】

それはさておき、菅野や吉井らのような自分の世界を持った投手が、めっきり減ったのは残念なこと。

先発の起用法がいけないのだ。中6日で、たまにしか投げない先発が、100球前後で降板する。勝ち負けつかずにマウンドを降りることも多く、本当の「責任投手」が誰か、はっきりしない。先発が中4、5日の間隔でどんどん投げて、ちゃんと責任を取れる体制にしないと、侍は出てこないだろう。


◎色々と気になる点が…

先発が中4、5日の間隔でどんどん投げて、ちゃんと責任を取れる体制にしないと、侍は出てこないだろう」と権藤氏は言うが「菅野」は「中4、5日の間隔でどんどん投げて」はいない。「自分のスタイルがある選手は強い、と納得した」と権藤氏が評した中日の「吉見一起」もそうだ。「ロッテでコーチを務めている吉井理人(近鉄など)」は微妙だが、日本で先発をやっていたのが主に1990年代ということを考えると「中4、5日の間隔でどんどん投げて」いたとは考えにくい。

権藤氏が「自分の世界を持った投手」として挙げているのは、この3人だ。基本的には「中6日で、たまにしか投げない先発」が当たり前の中で「自分の世界」を築いてきたのではないか。

また「中6日」と「本当の『責任投手』が誰か、はっきりしない」ことを一緒に論じているのも引っかかる。「本当の『責任投手』が誰か、はっきりしない」のが問題ならば、先発完投にこだわるしかない。その場合、「中6日」の方が完投はしやすい。

中4、5日の間隔でどんどん投げて」いくならば、「100球前後で降板する」傾向はさらに強まるのではないか。

中6日」が問題という話はよく分からない。「中4、5日」だと「」が出てくるが、「中6日」では無理だと決め付ける理由は見当たらない。

そもそも「中6日」とか「中4、5日」は先発の話で中継ぎや抑えには関係ない。投手として「自分の世界」を持てるのは先発投手だけだと権藤氏は考えているのだろうか。そもそも「吉井」氏には救援投手のイメージが強いが…。


※今回取り上げた記事「悠々球論~『侍投手』責任持たせてこそ
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200709&ng=DGKKZO61312560Y0A700C2UU8000


※記事の評価はD(問題あり)。権藤氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

上原浩治投手への誤解が過ぎる日経「悠々球論 権藤博」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/12/blog-post_81.html

イチローは不出場が決まってた? 権藤博氏の誤解を正さぬ日経の罪
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/03/blog-post_66.html

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