大分県日田市を流れる三隈川(筑後川) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
住友商事はイスラエルでコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を設立し、人工知能(AI)を使った位置情報解析ソフトを開発するアナゴグ社に出資した。イスラエルは起業が活発で年800社のスタートアップが設立されているとされる。住商はCVCを通じてAIや農業分野で新規事業の拡大を狙う。住商のCVCは日米や中国(香港)などに続き5カ国・地域となる。
アナゴグが1千万ドル(約11億円)を資金調達し、住商のCVCなど3社が出資した。アナゴグはスマートフォンのアプリに使う位置・行動情報ソフトを開発。全地球測位システム(GPS)やスマホの内蔵センサーなどから利用者の性別や年代、立ち寄った店などといった情報を分析する。
◎「出資した」のは分かるが…
「住商のCVC」が「アナゴグ社に出資した」ことが記事の柱だ。しかし出資金額も出資比率も分からない。「アナゴグが1千万ドル(約11億円)を資金調達し、住商のCVCなど3社が出資した」とは書いている。しかし「住商のCVC」に限った出資額は不明だ。
そして記事の約半分を「アナゴグ社」の事業内容の説明に費やしている。それは「出資」に関してしっかり情報を伝えてからにしてほしい。「住商」が出資額も出資比率も明らかにしたくないと言っているのならば、そもそも記事として取り上げる必要があるのかと感じる。
11日の朝刊企業1面に載った「損保ジャパン、廃棄物リサイクル参入~新興に出資」という記事でも「廃棄物から電力や熱を生み出す技術を持つスタートアップ企業に出資し、業務提携した」「損保ジャパンが出資したのは再生可能エネルギーの発電設備などを手掛けるサステイナブルエネルギー開発(仙台市)だ」と書いてあるだけで、出資金額などには触れていない。
「出資」が記事の柱ではないが、出資金額ぐらいは触れてほしい。分からない場合は、その点を明示すべきだろう。
※今回取り上げた記事
「住友商事、イスラエル新興に出資~まずAIソフト会社に」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200612&ng=DGKKZO60271250R10C20A6TJ1000
「損保ジャパン、廃棄物リサイクル参入~新興に出資」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200611&ng=DGKKZO60116380Y0A600C2TJ1000
※記事の評価はいずれもD(問題あり)
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