筑後川橋と菜の花(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
まず13日の夕刊総合面に「高島屋、投信販売に参入へ」という記事が載った。全文は以下の通り。
【日経の記事】
高島屋がインターネット証券最大手のSBI証券と業務提携し、今春にも投資信託など金融商品の販売に参入することが13日までに分かった。高島屋が金融商品仲介業に登録し、独立系金融アドバイザー(IFA)として自社の顧客にSBIが取り扱う投資信託などの商品の販売を仲介する。幅広い顧客と接点を持つ小売業が本格参入すれば、投資家の裾野拡大につながりそうだ。
◇ ◇ ◇
さらに14日の朝刊金融経済面に「高島屋、投信販売に参入~SBI証券と提携発表」という記事が3段見出し付きで出ている。全文は以下の通り。
【日経の記事】
高島屋とSBI証券は13日、投資信託の販売など金融分野で業務提携契約を結んだと正式に発表した。SBIが取り扱う投信の販売が柱。高島屋は若年層の取り込みを狙う一方、40代以下が顧客全体の6割を占めるSBI側も接点が少なかった富裕層などの獲得で預かり資産の拡大を見込む。
高島屋の子会社で金融事業を担う高島屋ファイナンシャル・パートナーズが今春にも独立系金融アドバイザー(IFA)として金融商品仲介業に登録し、営業全面再開後の高島屋日本橋店(東京・中央)に相談の専用カウンターを設ける。高島屋の村田善郎社長は同日の電話会見で「百貨店ならではの安心感を訴求しながら、金融商品をお客さまに届けるようにしたい」と話した。
◎「抜く」意味ある?
夕刊の記事は発表前に「抜いた」もので、朝刊の記事は「正式に発表した」ことを受けて書いてある。しかし普通の読者にすれば、あまり意味はない。同じような内容の記事が夕刊に続いて翌日の朝刊にも出ているだけだ。まず、これが無駄だ。
単に内容が重なるだけならば害は少ない。より大きな問題は記事の内容が縛られやすいことだ。
今回、発表前に記事にできたのは高島屋関係者の協力があったからだと推測できる。夕刊の記事で「幅広い顧客と接点を持つ小売業が本格参入すれば、投資家の裾野拡大につながりそうだ」と持ち上げているのも、協力者への配慮のように見える。
朝刊の記事によると「高島屋ファイナンシャル・パートナーズが今春にも独立系金融アドバイザー(IFA)として金融商品仲介業に登録」するそうだ。しかし「SBIが取り扱う投信の販売が柱」であれば「独立」性は期待しにくい。「高島屋」の顧客にとって「SBIが取り扱う投信」を中心に投資を考えるメリットはない。一般消費者の立場から言えば、このネタの筋は良くない。
しかし記事では「百貨店ならではの安心感を訴求しながら、金融商品をお客さまに届けるようにしたい」という「高島屋の村田善郎社長」の発言を肯定的に伝えている。これだと「高島屋」寄りの記事と言うしかない。
※今回取り上げた記事
「高島屋、投信販売に参入へ」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200413&ng=DGKKZO57975060T10C20A4EAF000
「高島屋、投信販売に参入~SBI証券と提携発表」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200414&ng=DGKKZO57981930T10C20A4EE9000
※記事の評価はいずれもC(平均的)
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