2020年3月7日土曜日

日経「楽天、通販一律の『送料込み』延期」に感じる好ましい変化

日本経済新聞が良い方向に変わり始めているのではないか。7日の朝刊総合1面に載った「楽天、通販一律の『送料込み』延期~強制色薄める」という記事の以下のくだりを読んでそう感じた。
亀山上皇銅像(福岡市)※写真と本文は無関係

【日経の記事】

軌道修正は新型コロナの影響としたが、導入を見送る店舗の延期期間は「現時点では無期限」だ。6日の会見では報道陣から「いつ一律に導入するのか」「一律導入の撤回ではないのか」と質問が相次いだが、楽天は「未定」を繰り返した



◎楽天に寄り添わない姿勢を評価

普通ならば「導入を見送る店舗の延期期間は未定としている」ぐらいで通り過ぎるところだ。それをわざわざ「報道陣から『いつ一律に導入するのか』『一律導入の撤回ではないのか』と質問が相次いだが、楽天は『未定』を繰り返した」と書いたのは「会見」での「楽天」の対応に記者が不誠実さを感じたからだろう。

それでも「楽天」のような有力企業のご機嫌を損ねるような書き方をしないのが日経の基本姿勢だった(不祥事を起こしたり経営危機に陥ったりした場合は別)。今回のような書き方をすれば「楽天」からネタをもらうのは難しくなるだろう。「それならそれでいい」と担当記者が腹を括っているのならば一読者として歓迎したい。

待っていれば発表されるネタを抜くとか抜かれるとかはどうでもいい。伝えるべきだと感じたことを読者に伝える--。それを最優先してほしい。

話はそれるが、楽天の三木谷浩史会長兼社長には失望した。送料無料化に関して「たとえ政府や公取委と対峙しようとも必ず遂行する」との発言が伝えられた時には、当然に何手先も読んで勝算ありと確信しているのだと思っていた。

それが、あっという間にどんどん後退してしまった。深い考えなしに感情的になって「政府や公取委と対峙しようとも必ず遂行する」と言ってしまったのだとしたら、あまりに未熟だ。そして三木谷氏は未熟さが許容される年齢ではない。


※今回取り上げた記事「楽天、通販一律の『送料込み』延期~強制色薄める
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200307&ng=DGKKZO56513040W0A300C2EA1000


※記事の評価はB(優れている)

0 件のコメント:

コメントを投稿