のこのしまアイランドパーク(福岡市)のコスモス ※写真と本文は無関係です |
「東芝は11月13日、上場子会社3社を総額2000億円で完全子会社化すると発表した」ものの「東芝テックは対象外」。確かに「不可解」だ。佐伯真也記者と竹居智久記者はこの謎にどう迫ったのだろうか。記事の一部を見ていこう。
【日経ビジネスの記事】
「資本政策についてはコメントできないが、取り込まなくてもテックの重要性は変わらない」。TOB発表翌日に開いたIR(投資家向け広報)説明会。東芝でCDO(最高デジタル責任者)を務める島田太郎執行役常務は東芝テックについて歯切れが悪かった。
◇ ◇ ◇
「東芝」の「IR説明会」ではまともな説明がなかった。それは分かった。
さらに当該部分を見ていこう。
【日経ビジネスの記事】
東芝の車谷会長は東芝テックについて「持続的な企業価値の向上施策について日々話し合いをしているが、現時点で持ち分の変動は考えていない」と話す。同社株は年初から7割ほど上昇しており、単純に「高値づかみ」を避けたかったのかもしれない。
◎謎が残るにしても…
「なぜ」に関するヒントらしきものは、上記のくだりだけだ。結局、記事を最後まで読んでも「『高値づかみ』を避けたかったのかもしれない」という推測しか出てこない。
きちんと答えを出せとは言わない。謎が残ったままでも仕方がない。だが、やはり頑張って謎に迫ってほしい。
今回の記事で残念なのが、東芝関係者に独自取材しようとした形跡がうかがえないことだ。「車谷会長」のコメントも記者会見でのものだと思われる。
結局は何も教えてくれないとしても、聞き出そうとする努力は欲しい。やったけれどダメだったのならば、それを記事に盛り込んでほしい。
記事には「『経営戦略との整合性が感じられない』。複数のアナリストは、東芝が発表した資本政策に疑問の声を上げる」とのくだりもある。東芝の関係者に当たって成果がなければ「複数のアナリスト」に「東芝テックだけ例外なのはなぜだと思いますか」と聞いてみる手もある。
そこでダメならば、佐伯記者と竹居記者であれこれ知恵を絞ってみてもいい。「全部やった。それでも『高値づかみを避けたかったのかも』しか出てこなかった」と言うのだろうか。だとしたら記事にするのは諦めた方がいい。
※今回取り上げた記事「時事深層 COMPANY~東芝、上場子会社再編で東芝テック対象外のなぜ」
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00417/
※記事の評価はD(問題あり)。竹居智久記者への評価は暫定でDとする。佐伯真也記者への評価はDを据え置く。佐伯記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
日経ビジネス「見えてきたクルマの未来」で見えなかったこと
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/blog-post_10.html
33%出資の三菱製紙は「連結対象外」? 日経ビジネスに問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/33.html
「33%出資は連結対象外」に関する日経ビジネスの回答
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/02/33_21.html
日経ビジネスに問う「知的障害者は家庭では必要とされない?」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/02/blog-post_17.html
「知的障害者は家庭では必要とされない?」に日経ビジネスが回答
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/02/blog-post_21.html
「みんなのタクシー」は本当に「順調」? 日経ビジネス佐伯真也記者に問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/11/blog-post_17.html
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