2019年10月5日土曜日

「上海高島屋が閉店撤回」の解説が雑過ぎる週刊エコノミスト

週刊エコノミスト10月8日号に載った「深層真相~上海高島屋が閉店撤回 家賃減額でも前途多難」という記事は雑な作りで驚いた。全文を見た上で具体的に指摘したい。
瑞鳳殿(仙台市)※写真と本文は無関係です

【エコノミストの記事】

百貨店の高島屋が中国・上海にある上海高島屋の閉店を撤回し、営業を継続している。6月に閉店を発表し、8月25日に閉店すると発表していたが、あと2日に迫った23日に「営業継続のお知らせ」を店頭に掲示した。

閉店の理由は、「ビルの賃貸料が高騰して経営が成り立たなくなった」ことで、今回の撤回は「建物所有会社の支援などで、事業継続の条件が整ったため」と説明しているが、現地の日本人でこれを額面通りに受け取る人は少ない

同店は2012年、本格的な日本型百貨店として上海市長寧区に開業した。同地区は、高級住宅地で、日本人はじめ外国人が多く住んでいるぐらいしか特徴のない町だ。一方で“上海っ子”のショッピングは、当時からすでに百貨店ではなく、専門店や有名店が集まる巨大なショッピングセンターに移り始めていた。

日本の百貨店の先陣を切る形で進出した伊勢丹が、上海有数の繁華街・淮海中路に建つ「華亭伊勢丹」を閉店したのが08年。しかも近年はネットショッピングの隆盛が著しく、流通業の変化は激しい。近隣の日本人住民は、「家賃を下げてもらっても、肝心のお客さんが来るのか」といぶかっている。



◎では、どう受け取ってる?

今回の撤回は『建物所有会社の支援などで、事業継続の条件が整ったため』と説明しているが、現地の日本人でこれを額面通りに受け取る人は少ない」と書いているので、「現地の日本人」が実際はどう受け取っているのか教えてくれるのだろうと思って読み進めるが、最後まで答えは出ない。

近隣の日本人住民は、『家賃を下げてもらっても、肝心のお客さんが来るのか』といぶかっている」といった説明はあるものの、「事業継続」の理由として「家賃」以外に何が考えられるのかヒントさえない。「まともな記事に仕上げるつもりがあるのか」と聞きたくなる出来だ。

ついでに言うと「高級住宅地で、日本人はじめ外国人が多く住んでいるぐらいしか特徴のない町だ」との説明も引っかかった。「高級住宅地」で「外国人が多く住んでいる」のならば、それだけで十分に「特徴」があると思えるが…。


※今回取り上げた記事「深層真相~上海高島屋が閉店撤回 家賃減額でも前途多難
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20191008/se1/00m/020/047000c


※記事の評価はE(大いに問題あり)

0 件のコメント:

コメントを投稿