2019年8月20日火曜日

「鳥貴族」の出店は「大都市」限定だったと日経は言うが…

茨城県取手市や三重県桑名市は「関東、関西、東海地区の大都市」に入るだろうか。「大都市ではない」と考えるのが常識的な判断だと思える。しかし「鳥貴族、今期にも出店再開へ~大都市以外に初進出」という記事を書いた日本経済新聞の記者は別の基準を持っているのかもしれない。
開盛堂本店(宮城県石巻市)
      ※写真と本文は無関係です

記事には他にも問題を感じた。日経には以下の内容で問い合わせを送っている。


【日経への問い合わせ】

20日の日本経済新聞朝刊企業2面に載った「鳥貴族、今期にも出店再開へ~大都市以外に初進出」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは「大都市以外に初進出」が本当かどうかです。

記事では「これまで関東、関西、東海地区の大都市に出店してきたが、大倉社長は『(一定の客数が見込める)地方に出店する』と語る」と説明しています。

しかし「鳥貴族」の店舗一覧を見ると取手店(茨城県取手市)、桑名店(三重県桑名市)など明らかに「大都市」ではない地域に多く出店しています。

拡大解釈して「関東、関西、東海地区の大都市」を「三大都市圏」と見なした場合はどうでしょうか。茨城県、和歌山県、静岡県などが一般的には「三大都市圏」に入らないので、これらの地域の店が「関東、関西、東海地区の大都市」に収まりません。

これまで関東、関西、東海地区の大都市に出店してきた」との説明は誤りではありませんか。その場合、当然に「大都市以外に初進出」も間違いです。記事の説明に問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

付け加えると「足元で売り上げが回復してきたことを受けて、地方に初進出するなど再び成長拡大にかじをきる」との説明にも問題があります。茨城県、和歌山県、静岡県などに「進出」済みなのですから「地方に初進出」と見なすのは難しいでしょう。

見出しの「今期にも出店再開へ」も引っかかります。本文では「前期は直営店の出店を初めて凍結した」と書いています。「鳥貴族」の決算短信によると「既に出店予定である店舗を除き、新たな出店を取りやめること」にはしたようですが、完全に出店を凍結した訳ではありません。

前期の出店は「フランチャイズ店」だけかもしれません。ただ、「今期にも出店再開へ」と見出しにすると「フランチャイズ店も含めて完全に出店を凍結していた」と理解したくなります。読者に誤解を与えない記事作りを心掛けてください。

問い合わせは以上です。回答をお願いします。御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界トップレベルのクオリティーを持つメディア」であろうとする新聞社として責任ある行動を心掛けてください。


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※今回取り上げた記事「鳥貴族、今期にも出店再開へ~大都市以外に初進出
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190820&ng=DGKKZO48736610Z10C19A8TJ2000


※記事の評価はD(問題あり)。

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