2019年7月16日火曜日

浜田昭八氏の理解力に問題あり 日経「選球眼~選手と首脳陣つなぐ本音」

スポーツライターの浜田昭八氏はそろそろ書き手としての引退を考えるべきだ。15日の日本経済新聞朝刊スポーツ2面に載った「選球眼~選手と首脳陣つなぐ本音」という記事を読むと、プロ野球界の動向を浜田氏がきちんと理解できていないのが分かる。
善応殿(仙台市)※写真と本文は無関係です

まず以下のくだりだ。

【日経の記事】

監督工藤は7日のオリックス戦での継投失敗を悔やんだ。八回2死まで好投の若手松本を「勝ち投手にしてやりたい」とした温情があだとなり、交代が遅れ逆転負け。遠慮のない現役時代の姿勢を貫けばどうなったか。



◎「勝ち投手にしてやりたい」のなら…

この試合では4回までに2-0とリードしており、5回終了時点で「松本」選手は「勝ち投手」の権利を手にしている。「勝ち投手にしてやりたい」場合、6回以降であれば疲れが出る前に「交代」させようとするはずだ。

それを「八回2死まで」引っ張ったのだから「『勝ち投手にしてやりたい』とした温情があだとなり、交代が遅れ逆転負け」という説明はあり得ない。「勝ち投手にしてやりたい」ではなく「完投(あるいは完封させてあげたい」なら分かるが…。

最後の段落も引っかかった。

【日経の記事】

わが球界では選手が表立って采配に不満を述べるのはタブーになっている。近年は囲み取材にも広報が立ち会い、選手、報道陣をけん制する。本音はなかなか出ない。「最低でーす」という類いの暴言は論外だが、真面目な自己主張は首脳陣・選手間の緊張感を保ち、お互いのためになると思うが……


◎「真面目な自己主張」あるような…

タブー」と聞くと「(比喩的に) 社会や特定の集団の中で、法的に禁止されているわけではないが、それに言及したり、それを行なったりするのは良くない、そうすると悪い結果になると見なされていることがら」(日本国語大辞典)だと理解したくなる。

しかし「采配に不満を述べる」のはチーム内の明確な禁止事項ではないのか。これまでも「采配に不満を述べ」た選手が処罰を受けているのだから「タブー」とはちょっと違う気がする。

今のプロ野球界には「真面目な自己主張」がほとんどないと浜田氏が捉えているのも引っかかった。

2018年12月4日付でデイリースポーツは以下のように報じている。

【デイリースポーツの記事】

巨人の田原誠次投手が4日、東京・大手町の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、前回提示と変わらず、現状維持の3600万円で更改した。

今季は貴重な右のサイドスローの中継ぎとして29試合に登板。金額は1回目の交渉でも納得していたという右腕はブルペン陣の調整法の環境改善を訴えた

「そろそろ(登板が)自分かなと思ってたら、お前まだ肩をつくらなくていいよ。『つくらなくていいんですね。待機しときます』といったら、やっぱりここからいくよってなったりとか、そういう場面が多々あった」と振り返る。

◎ニュースはチェックしてる?

上記の「訴え」は当時そこそこ話題になった。プロ野球に関する記事を書く浜田氏ならば知っていて当然だ。知っていたのならば、選手からの「真面目な自己主張」もしっかりあると読者に伝えるべきだ。この件を知らずに(あるいは忘れて)「真面目な自己主張は首脳陣・選手間の緊張感を保ち、お互いのためになると思うが……」などと書いたのならば、やはり書き手としての引退を検討してほしい。


※今回取り上げた記事「選球眼~選手と首脳陣つなぐ本音
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190715&ng=DGKKZO47357870U9A710C1UU2000


※記事の評価はD(問題あり)。浜田昭八氏への評価はDで確定させる。浜田氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経のコラムで「リクエスト制度に大過なし」と浜田昭八氏は言うが…
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_43.html

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