浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)※写真と本文は無関係 |
まずは記事の全文を見てみよう。
【東洋経済の記事】
通勤電車の利用者は鉄道各社が都心エリアで進めるサービス改善策をどう受け止めているのか。1都6県在住の東洋経済メールマガジン会員を対象に、アンケートを実施した。快適性向上に「努力している路線」と「努力が足りない路線」など、日々の通勤電車利用者ならではの率直な声を集めた。調査は1月下旬に行い、1945人から回答を得た。
快適性向上に努力している路線として最も評価が高かったのは、JR山手線。理由のコメントで多かったのは、「車両が新しい」「ホームドアの設置を進めている」など。JR東日本は2017年から山手線への新型車両「E235系」導入を本格化。車内に多数配置した液晶ディスプレーも利用者に評判がいいようだ。
2位は小田急小田原線。「複々線化」の効果で遅延の解消や列車本数増による混雑緩和が図られたことが評価された。3位にランクインしたのは京王線。昨年2月にデビューした有料座席指定列車「京王ライナー」が好評だ。
上位路線の顔ぶれを見ると「新型車両」「ホームドアの設置」が高評価を得るキーワードになっている。
調査の選択肢には入れなかったが、「その他」路線の回答として相模鉄道が21票を獲得した。神奈川県の鉄道だが、東京都心につながる直通プロジェクトを進めており、それに先行する新型車両の導入が好感を持たれている。
一方「努力が足りない路線」の筆頭は東急田園都市線だ。「混雑が解消されない」「よく遅れる」といった負のイメージが強い。「宅地開発と輸送人員の限界がマッチしていない」との厳しい意見も複数あった。
2位のJR中央線快速は、「人身事故が多い割に、ホームドアなどの対策が進んでいない」ことが不満の主な原因。3位のJR京浜東北線に対しては、遅延の多さやホームドア設置の進捗状況に対する不満の声が多かった。
これまでは評判が芳しくなかったが、「汚名返上」の施策を講じたことで評価された路線も。東急田園都市線の新型車両「2020系」導入、JR総武線快速の「新小岩駅のホームドアの設置」は、快適性・安全性向上へ努力している証しとして挙げられた。
アンケートの回答からは、各路線の小さな努力に通勤客が気づいていることがうかがえた。今回評価が低かった路線も、細かなサービス向上を続けることで価値を高められるはずだ。
◎京成押上線がどちらも最下位…
調査対象となった「東京圏の主要32路線」のうち「努力している路線」でも「努力が足りない路線」でも、最下位は「京成押上線(押上-青砥)」だ。回答者の中でこの路線を利用している人が少ないから、こういう結果になったと推測できる。
九重"夢"大吊橋(大分県九重町) ※写真と本文は無関係です |
このランキングを材料に「京成押上線(押上-青砥)」に関して「よく頑張っている」とか「もっと努力すべきだ」とか論じてもほとんど意味がない。
上位に関しても同様だ。「快適性向上に努力している路線として最も評価が高かったのは、JR山手線」だが、「JR山手線」は「努力が足りない路線」でも5位に入っている。
「『努力が足りない路線』の筆頭は東急田園都市線」とも書いている。これも「努力している路線」でも5位だ。両方のランキングの差から路線別の「努力」を読み取る手もあるが、ちょっと苦しい。「好きな路線・嫌いな路線」といった調査ならば、今回のような調査方法で良かったかもしれない。しかし「快適性向上」に「努力している」かどうかを見るには向かない。
ついでに言うと、この「アンケート」で「中央線」「総武線」「常磐線」などを「快速」と「各駅停車」に分けているのも気になった。一緒にした方がいい。ちなみに、一緒にしていれば「努力が足りない路線」のトップは「中央線」の「177」で、「東急田園都市線」の「155」を大きく上回る。
「(努力が足りない路線で)2位のJR中央線快速は、『人身事故が多い割に、ホームドアなどの対策が進んでいない』ことが不満の主な原因」と筆者の橋村季真記者は書いている。これは「快速」だけの問題ではないだろう。
※今回取り上げた特集「最強の通勤電車」
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/19932
※特集全体も当該記事も評価はD(問題あり)。橋村季真記者への評価も暫定でDとする。
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