2018年10月22日月曜日

「NECが隠す不都合な真実」は本当にある? 読者を欺くFACTAの記事

FACTA11月号の「NECが隠す『不都合な真実』」という記事は読者に対する騙しが過ぎる。見出しからは「NECが『不都合な真実』を隠している」と判断するしかない。しかし、記事には「不都合な真実」の具体的な中身は出てこないし、「不都合な真実」が本当にあるかどうかも不明だ。
杵築城(大分県杵築市)※写真と本文は無関係

当該部分は以下のようになっている。

【FACTAの記事】

12年度中計、15年度中計の2回にわたって計画未達をやらかした遠藤は会長となった。15年度中計を策定し、18年度中計を断念した新野は社長のまま。15年度中計では海外売上高比率25%達成を目標に掲げたが、無理筋とみたのか、ひっそりとKPI(主要業績評価指標)から外している。当時、チーフ・グローバル・オフィサーだった森田隆之は相応の責任があろうが、4月1日付で常務から副社長兼最高財務責任者(CFO)に昇格している。要するに戦犯が誰一人として責任を取っていないのだ。

NECの重鎮だったOBはこう言う。「それぞれに脛に傷があって、『お互い刺さないことにしよう』という合意ができているのだろう。東芝は亡くなった西室泰三と西田厚聡、それと佐々木則夫の確執から、不都合な真実が明るみに出た。同じような不都合な真実がNECにあっても不思議ではないが、『みんなで隠せば怖くない』っていうことだ」


◎「あっても不思議ではない」で終わり?

記事の中で「不都合な真実」に関する記述は「NECの重鎮だったOB」のコメントに出てくるだけだ。しかも「東芝は亡くなった西室泰三と西田厚聡、それと佐々木則夫の確執から、不都合な真実が明るみに出た。同じような不都合な真実がNECにあっても不思議ではない」と言っているだけだ。それを見出しに持ってきて「NECが隠す『不都合な真実』」と打ち出してしまうとは…。記事の作り手としての矜持はどこに捨ててきたのか。

読者からの間違い指摘を当たり前に無視していることだけでも、FACTAに他者を批判する資格はないと感じる。さらに、今回のような「読者を欺く記事」を世に送り出して、その中でNECの問題点をあれこれ論じても説得力を生むはずがない。まず、自分たちの根っこの部分で進んでいる腐食を止めるべきだ。

「漂う腐臭に鼻をつまみ腐った部分から目を背けても決して問題は解決しない」と早く気付いてほしい。


※今回取り上げた記事「NECが隠す『不都合な真実』
https://facta.co.jp/article/201811011.html


※記事の評価はE(大いに問題あり)。この記事に関しては以下の投稿も参照してほしい。

辻褄合わない説明目立つFACTA「NECが隠す不都合な真実」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/factanec.html

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