眼鏡橋(長崎県諫早市)※写真と本文は無関係です |
まずは日経に送った問い合わせの内容を見てほしい。
【日経への問い合わせ】
日本経済新聞社 運動部 担当者様
8日の夕刊 社会・スポーツ面に載った「岡崎慎司 満身創意~W杯への挑戦終われない」 という記事についてお尋ねします。問題としたいのは最後の段落です。
「たとえしばらくの間、日本代表に呼ばれなかったとしても、次のW杯の舞台に立つことを目指し続ける。そのためにもイングランド、ドイツ、フランス、スペインの欧州4大リーグのどこかでプレーし続けたい」
サッカーの「欧州4大リーグ」は一般的には「イングランド、ドイツ、イタリア、スペイン」です。フランスを含めて「5大リーグ」とは言いますが、イタリアを外して「イングランド、ドイツ、フランス、スペイン」で「欧州4大リーグ」としている例はほとんどないはずです。
「一般的にはそうかもしれないが、岡崎選手自身がイングランド、ドイツ、フランス、スペインを指して『欧州4大リーグ』と呼んでいるのだから問題ない。筆者の見方を尊重したまでだ」と反論したくなるかもしれません。しかし、この反論は成り立たない公算大です。
日刊スポーツ7月29日付の「岡崎スペインかイタリアへ19年オフ『チャレンジ』」という記事では「ヨーロッパのレベルの高いリーグ、4大リーグで結果を出すことで、日本代表としても認めてもらえると思う。次のカタールを目指したい」とのコメントを紹介した上で以下のように記しています。
「さらに『スペインとイタリアのどっちとは今は分かりません。それぞれのリーグによって特徴も違うので、そういうところでどこまでやれるか。32歳は、何かをすることに臆する年齢。しかし、現状維持を選択した時点で、実質的にはレベルが下がる』とし、4大リーグでの成長を目指す」
この羽田空港での囲み取材については、デイリースポーツも「4大リーグの、行ったことのない2つのリーグ(スペイン、イタリア)はやっぱり興味はあります」という岡崎選手のコメントを記事で使っています。「4大リーグ=イングランド、ドイツ、イタリア、スペイン」と岡崎選手が認識しているのは間違いなさそうです。
今回の御紙の記事は聞き書きだと思われます。「そのためにも欧州4大リーグのどこかでプレーし続けたい」という岡崎選手の発言を記者が補って「そのためにもイングランド、ドイツ、フランス、スペインの欧州4大リーグのどこかでプレーし続けたい」と書いた結果、ミスが生じたと推測できます。
「イングランド、ドイツ、フランス、スペインの欧州4大リーグ」という記述は誤りだと考えてよいのでしょか。問題なしとの判断であればその根拠も併せて教えてください。
この問題を放置した場合、岡崎選手がイタリアのチームに移籍しても、“欧州4大リーグ”でのプレーという希望は叶わなかったことになります。読者のためにも、岡崎選手のためにも、そして日経がメディアとしての責任を果たすためにも適切な対応をお願いします。
御紙では読者からの間違い指摘を無視してミスを握り潰すのが当たり前になっています。ロシアW杯での「悔しさ」をバネにして「次のW杯の舞台に立つことを目指し続ける」岡崎選手を見習って「ミスを握り潰さないメディア」をまずは目指してみませんか。
◎岡崎選手を愚か者に見せてしまうような…
今回の記事を読んだ人が「日経の運動部って分かってないなぁ」と思うだけなら、まだいい。問題は「岡崎って欧州でプレーしてるのに欧州4大リーグがどこか分かってないんだ」と読者に誤解を与える可能性がある点だ。
「自分のコラムなんだから岡崎選手もしっかりチェックすべきだった」との主張は成り立つ。しかし、欧州でプレーする多忙なサッカー選手に細かいチェックを求めるのは酷だろう。
推測が正しければ、「イングランド、ドイツ、フランス、スペイン」と国名を補ったのは日経の記者だ。責任のほとんどは日経の運動部にある。
それにしても、記者とデスクがそろって「イングランド、ドイツ、フランス、スペイン」を「欧州4大リーグ」だと勘違いしていたのだろうか。サッカーにそれほど詳しくない自分でさえ知っているのに…。
※今回取り上げた記事「岡崎慎司 満身創意~W杯への挑戦終われない」
「https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180808&ng=DGKKZO33945410Y8A800C1US0000」
※訂正が出ないとの前提で、記事の評価はE(大いに問題あり)とする。
追記)結局、訂正も回答もなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿