2018年8月8日水曜日

ツイッターはやめても記事は書く中川淳一郎氏の矛盾

東洋経済オンライン8月8日付の「SNSの発言が本人の人生を破滅させる恐怖~『何も書かない』が最良の選択ではないか」という記事を読んで「筆者の中川淳一郎氏(ネットニュース編集者)は書き手を引退した方が良いのではないか」と感じた。まずは、記事に関する問い合わせを見てほしい。
眼鏡橋(長崎県諫早市)※写真と本文は無関係です

【東洋経済オンラインへの問い合わせ】

ネットニュース編集者 中川淳一郎様 東洋経済オンライン担当者様

8月8日付の「SNSの発言が本人の人生を破滅させる恐怖~『何も書かない』が最良の選択ではないか」という記事についてお尋ねします。記事には以下の記述があります。

以前は少なくとも3日に1回程度は投稿していたツイッターも、6月25日以降、ほぼ投稿していない。投稿したのは、仕事の都合で『告知』をせざるを得ないものである

ここから判断すると、中川様は「ツイッター」で「告知」目的の投稿は続けているはずです。しかし読み進めると話が変わってきます。

さて、そんなかつてはツイッター熱心だった筆者が約1ヵ月間、何も投稿しなくなったが、困ることはほぼない。Hagex氏の事件以降、もう人前でイベントに出る気を失ってしまったため、告知をする必要はない。記事を書くにしても、編集部や編集者がツイートをしてくれる

ここでは「約1ヵ月間、何も投稿しなくなった」「告知をする必要はない」と断言しています。こちらから判断すると「告知」目的の投稿もやめてしまったことになります。説明が矛盾していませんか。どう理解すればよいのか教えてください。

6月25日~7月7日ごろに「告知」目的の投稿をしたものの、その後「約1ヵ月間、何も投稿しなくなった」と考えれば辻褄は合います。ただ、常識的には「約1ヵ月間=6月25日以降」と解釈すべきでしょう。

せっかくの機会なので、記事に関する感想も添えておきます。正直言って、ツイッターへの投稿をやめた中川様の気持ちが理解できませんでした。中川様は以下のように書いています。

不特定多数に向けて『つぶやき』を見せることの意義は現時点では、見いだせない。いつなんどき過去の発言がきっかけで裁判を起こされたり、あるいは、現在の自分の立場を毀損する状況に陥ったりするかはわからないのだから。(中略)当然の話だが、何も書かないと、何も批判されないし、炎上にビクビクすることもない

ならばなぜ東洋経済オンラインなどでの執筆活動は続けているのでしょうか。「いつなんどき過去の発言がきっかけで裁判を起こされたり、あるいは、現在の自分の立場を毀損する状況に陥ったりするかはわからない」のは東洋経済オンラインの記事も同じです。「批判」はされますし、「炎上にビクビクすること」もあるでしょう。

もちろん、収入を得られるかどうかの違いはあります。ただ、「いつなんどき過去の発言がきっかけで裁判を起こされたり、あるいは、現在の自分の立場を毀損する状況に陥ったりするかはわからない」と心配するのならば、仕事を変えたり、署名入りの記事を書くのをやめたりという選択もあります。そうした対応をせずにツイッターでのつぶやきだけを中止して、どれほどの意味があるのでしょうか。

問い合わせは以上です。お忙しいところ恐縮ですが、回答をお願いします。東洋経済新報社では、読者からの問い合わせを無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。


◎そんなに怖いのなら…

中川氏は記事の中で、ツイッターから距離を置いた理由について「6月24日、『Hagex(ハゲックス)』のハンドルネームで活動していた岡本顕一郎さんが刺殺されたからだ」と述べている。

Hagex氏と筆者は『ネットニュース』や『ネット炎上』がテーマの発信を得意としていたので、イベントでも一緒に登壇することが何度かあった」のであれば、「そんな同じ業界で働く友人が刺殺されたことから、『ネットの発言はリアルの生活を破壊するほど、人の恨みを買う』と考えるようになった」のは理解できる。

理解できないのは東洋経済オンラインで署名入りの記事を書き続けていることだ。ネットだろうと新聞・雑誌だろうと、実名を出して意見を述べれば、批判されることもあるし、恨みを買う可能性もある。

恨みを募らせた人物から命を狙われる可能性も完全にゼロにはできない。なので、そこから逃げるなとは言わない。ただ、逃げ方が中途半端だ。

中川氏は「デッドボールを受けて選手生命を絶たれたチームメイトを目の当たりにして内角球に腰が引けるようになった野球選手」のようなものだ。実名で記事を書くことからは一刻も早く撤退した方がいい。それが中川氏のためでもあるし、読者のためでもある。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「SNSの発言が本人の人生を破滅させる恐怖~『何も書かない』が最良の選択ではないか
https://toyokeizai.net/articles/-/231879


※記事の評価はD(問題あり)。中川淳一郎氏の引退を想定して、筆者への評価は見送る。

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