2018年8月30日木曜日

「予想外」でも「番狂わせ」ではない? 日経 北川和徳編集委員に問う

格下相手に予想外の敗北を喫したものの「番狂わせ」ではないという状況はあり得るだろうか。個人的には「ない」と思えるが、日本経済新聞の北川和徳編集委員は違うようだ。そこで、以下の内容で問い合わせを送ってみた。
伊都国歴史博物館(福岡県糸島市)※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社 編集委員 北川和徳様

29日朝刊スポーツ1面の「Count Down東京2020 開幕まであと695日~子供が憧れるヒーローに」という記事についてお尋ねします。記事には以下の記述があります。

バドミントン男子の世界王者、桃田賢斗(NTT東日本)のアジア大会は、シングルス3回戦で敗れて幕を閉じた。地元の大声援を受けたインドネシア選手に屈した。無敵を思わせた世界選手権の戦いぶりからは予想外の結果だが、番狂わせとはいえない。相手は世界ランク12位。団体戦でも対戦して桃田が勝ったが2―1の辛勝だった

問題としたいのは「無敵を思わせた世界選手権の戦いぶりからは予想外の結果だが、番狂わせとはいえない」という説明です。「番狂わせ」とは「スポーツの試合などで、実力から予想される勝敗とは異なる結果になること」(デジタル大辞泉)を指します。

桃田選手のアジア大会3回戦敗退が「予想外の結果」だったのならば、それは「番狂わせ」です。北川様は言葉の使い方を間違えていませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

記事では「成績以上にうれしいのは、現在の彼(桃田選手)のプレーの質が他の選手より圧倒的に優れていることだ」とも書いています。だとすると、アジア大会で敗れた「インドネシア選手」よりも「プレーの質」は「圧倒的に優れて」いたはずです。なのに「番狂わせとはいえない」と判断するのは解せません。

団体戦でも対戦して桃田が勝ったが2―1の辛勝だった」のならば「現在の彼のプレーの質が他の選手より圧倒的に優れている」かどうかが怪しい気もします。北川様は「勝ち続けることが簡単にできる競技ではないということだろう」とは書いています。しかし、「プレーの質が他の選手より圧倒的に優れている」桃田選手がなぜ団体戦でも圧勝できず「シングルス3回戦」で姿を消したのか、まともな説明が見当たりません。これでは困ります。

付け加えると「勝ち続けることが簡単にできる競技ではないということだろう」と書くと、同一文中で「こと」が続くために拙く冗長な印象を与えます。例えば「簡単に勝ち続けられる競技ではないのだろう」とすると、かなりスッキリします。今後の参考にしてください。

問い合わせは以上です。お忙しいところ恐縮ですが、回答をお願いします。御紙では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界トップレベルのクオリティーを持つメディア」であろうとする新聞社として、責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた記事「Count Down東京2020 開幕まであと695日~子供が憧れるヒーローに
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180829&ng=DGKKZO34713970Y8A820C1UU1000


※記事の評価はD(問題あり)。北川和徳編集委員への評価も暫定でDとする。

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