2018年8月11日土曜日

「熊本高校同窓会」の説明に難あり 東洋経済「ザ・名門高校」

週刊東洋経済8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」には、どう解釈すればいいのか迷う記述がある。「熊本の総会にはかつて800人、東京では1000人集まった。ところが今は700人程度」と書いてあったら、「今は700人」を何の人数だと判断したらよいのだろう。東洋経済に送った問い合わせの内容は以下の通り。
米軍 佐世保基地(長崎県佐世保市)※写真と本文は無関係です

【東洋経済への問い合わせ】

週刊東洋経済編集部 長谷川隆様 福田恵介様 林哲矢様

8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」の中の「地域の誇り 名門校の横顔 九州・沖縄 済々黌、熊高の兄弟対決 鹿児島で伝統の『甲鶴戦』」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは以下のくだりです。

『江原会(こうげんかい)』という熊本中学・熊本高校同窓会の活動も盛んだ。『熊本の総会にはかつて800人、東京では1000人集まった。ところが今は700人程度。熊高は済々黌よりも県外に出る人が多いのかもしれない』(創立120周年実行委員長・林田淳一氏)

ところが今は700人程度」をどう理解すればよいのか迷いました。(1)「熊本の総会」が「今は700人程度」(2)「東京」が「今は700人程度」(3)「熊本の総会」と「東京」を合わせて「今は700人程度」(4)「熊本の総会」も「東京」もそれぞれ「今は700人程度」--のどれかでしょう。正解を教えてください。

付け加えると、「同窓会の活動も盛んだ」と書いているのに、参加者が減っている話を持ってくるのはしっくり来ません。また「熊高は済々黌よりも県外に出る人が多い」というのは、参加者が減っている理由になっていません。「林田淳一氏」は「済々黌」に比べて「熊本の総会」の参加者が少ない理由を説明しているのでしょうが…。

今回問題としたくだりは色々な意味で読者を迷わせる作りになっています。今後は構成を工夫してください。

九州関連でもう1つ注文を付けておきます。今号の表紙では「福岡を牛耳る修猷館、福岡高、筑紫丘」と打ち出していますが、特集では3校が「福岡を牛耳る」姿を描いていません。これは読者を欺く手法ではありませんか。

特集の中の「名門校 すごい卒業生人脈 福岡県 修猷館、福岡高、筑紫丘 御三家の強すぎる母校愛」というのが「福岡を牛耳る修猷館、福岡高、筑紫丘」に対応する記事なのでしょう。

この記事では「福岡を牛耳る」に関する言及がないだけでなく「強すぎる母校愛」と取れる記述も見当たりません。見出しと本文はきちんと合致するように誌面を作ってください。

問い合わせは以上です。回答をお願いします。御誌では、読者からの問い合わせを無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた特集「ザ・名門高校
https://dcl.toyokeizai.net/ap/registinfo/init/toyo/2018081100

※特集全体の評価はD(問題あり)。福田恵介記者への評価は暫定C(平均的)から暫定Dへ引き下げる。長谷川隆記者と林哲矢記者は暫定でDとする。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

佐倉高校は千葉市にある? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_19.html

表紙の「沖縄外し」が気になる東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_80.html

愛知は本当に「2トップ」?東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_9.html

「北野」「天王寺」の説明が苦しい東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_8.html

四国では「高松」が断トツ? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_55.html

「福岡知らず」が過ぎる東洋経済の特集「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_1.html

内部進学85%でも「ほぼ全員」? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/85.html

早大「内部進学人気」に疑義あり 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_16.html

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