崎津教会(熊本県天草市)※写真と本文は無関係です |
今回の記事の完成度は読者に届けてよい水準を大きく下回っている。2人を指導すべき副編集長らの責任も重い。筆者らには以下の内容で問い合わせを送った。
【東洋経済への問い合わせ】
週刊東洋経済 編集部 梅咲恵司様 真城愛弓様
8月25号の「産業リポート~3大ショッピングセンター ネット販売に負けずに好調 客を呼び込む大胆仕掛け」という記事についてお尋ねします。まず問題としたいのは以下のくだりです。
「この逆境下でも、『断トツの勢い』と関係者が舌を巻く好調なSCがある。ラゾーナ川崎プラザ(神奈川県川崎市)、阪急西宮ガーデンズ(兵庫県西宮市)、そしてテラスモール湘南(神奈川県藤沢市)だ」
「断トツ」とは「2位以下とは大きな差をつけて首位にある状態をいう俗語」です。ラゾーナ川崎プラザ、阪急西宮ガーデンズ、テラスモール湘南がいずれも「断トツの勢い」とはなり得ません。記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
見出しの「3大ショッピングセンター」も問題ありです。記事では以下のように書いています。
「全国のSCで売り上げ首位(繊研新聞調査を基に本誌推計)のラゾーナ川崎プラザは、開業時に比べて今年度の売上高が1.52倍、同3位の阪急西宮ガーデンズは1.27倍、同14位のテラスモール湘南も1.08倍に拡大する見込みだ」
記事で取り上げた「3施設」は売上高で見ると1位、3位、14位です。「14位のテラスモール湘南」を「3大ショッピングセンター」に入れるのは誤りではありませんか。仮に、売り場面積や来店客数など別の指標で3位以内に入っているのであれば、記事中で示すべきです。
「3大ショッピングセンター」が「断トツの勢い」かどうかも怪しいと思えます。
「テラスモール湘南」は「開業時に比べて今年度の売上高」が「1.08倍」になるだけです。「11年11月に開業した」とすれば今年で丸7年になります。大した伸びではありません。
しかも、記事に付けたグラフを見ると16年度と17年度は前年割れで、今年度に10%以上の伸びを見込んでの「1.08倍」です。17年度で見れば「開業時」を下回る売上高のはずです。これで「断トツの勢い」と言うのは無理があります。
グラフから判断すると、「阪急西宮ガーデンズ」の今年度の見通しはほぼ横ばいで、「ラゾーナ川崎プラザ」も2%前後の伸びにとどまります。この2つのSCも、今年度に関しては「断トツの勢い」が感じられません。
記事には「テスラのような新テナントや広場など全館改装の効果もあり、ラゾーナの今年度売上高は前年度実績を超えそうだ」との記述があります。具体的な数字を入れなかったのは、「断トツの勢い」になっていないとの認識が梅咲様や真城様にもあったからではありませんか。
問い合わせは以上です。回答をお願いします。御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。
◇ ◇ ◇
※今回取り上げた記事「産業リポート~3大ショッピングセンター ネット販売に負けずに好調 客を呼び込む大胆仕掛け」
https://dcl.toyokeizai.net/ap/registinfo/init/toyo/2018082500
※記事の評価はD(問題あり)。梅咲恵司記者と真城愛弓記者への評価はともに暫定C(平均的)から暫定Dへ引き下げる。
※梅咲記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
ミナミはキタより「1カ所集中」と東洋経済 梅咲恵司記者は言うが…
http://kagehidehiko.blogspot.com/2017/12/blog-post_13.html
※真城記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
「瀬戸際に立つアパレル店舗」を描けていない東洋経済の記事
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/01/blog-post_9.html
0 件のコメント:
コメントを投稿