善道寺(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係です |
筆者ら(武田 健太郎記者、武田 安恵記者)は特集の冒頭で「人生100年時代──。にわかに耳にすることが増えた言葉だが、イメージは湧くだろうか」と問いかけ「どうすれば将来100歳を迎えるあなた自身を幸せにできるか。今から少しばかり考えてみよう」と切り出している。
では、筆者らはいつから「人生100年時代」に入ると考えているのだろうか。「PROLOGUE 2100年 日本はこうなる 人口・暮らし・社会を大胆予想」という記事から探ってみよう。
【日経ビジネスの記事】
「人生100年」が実現すると社会はどう変わるのか。
まず100歳まで生きられる人の割合がどこまで増えるか見てみよう。厚生労働省がまとめた平成28年簡易生命表によれば、2016年に生まれた子供たちが後期高齢者の75歳まで生きる確率は男性75.1%、女性87.8%。90歳まで生きる確率は男性25.6%、女性49.9%だった。医学の進歩は続いているので、今後、100歳近くまで生きる人の割合はさらに上昇するとみられる。
国民年金法が制定された1959年、90歳まで生きる日本人の割合は男女共に数%だった。第2次世界大戦後、世界有数の豊かな生活水準と高度な医療技術を持つようになった日本にとって、長寿は幸福のシンボルと捉えることもできる。
◎「100歳まで生きられる人の割合」はどこに?
「まず100歳まで生きられる人の割合がどこまで増えるか見てみよう」と自ら宣言しているのに、なぜか「75歳まで生きる確率」や「90歳まで生きる確率」しか出てこない。これでは「人生100年時代」が到来するのかどうかも判断できない。「100歳まで生きる確率」にしてしまうと数字が小さくなりすぎるので「90歳まで」で代用したのだとすれば、この時点でかなり苦しい。
「人生100年」と掲げてしまったので、それでも「今後、100歳近くまで生きる人の割合はさらに上昇するとみられる」と書いてしまった。「90歳=100歳近く」との解釈なのだろうが、これまた苦しい。「90歳まで生きる確率」を使うしかないのならば、「人生90年」で特集をまとめるべきだ。「それじゃインパクトがないんで、特集自体やめよう」となるとは思うが…。
※今回取り上げた特集「幸せ100歳達成法~長生きリスクを越える」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/special/013000903/?ST=pc
※特集全体への評価はD(問題あり)。武田健太郎記者と武田安恵記者への評価もDを据え置く。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。
年金支給開始85歳でも「幸せ」? 日経ビジネス「幸せ100歳達成法」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/02/85-100.html
今世紀中は高齢者が急増? 日経ビジネス「幸せ100歳達成法」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/02/100_7.html
「高齢者人口が急増」に関する日経ビジネスの回答に注文
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/02/blog-post_8.html
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