甘木鉄道 甘木駅(福岡県朝倉市) ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
日本電産の永守重信会長兼社長は9日の記者会見で、後任人事について「60代の人に渡す時代じゃない。相当若返りを図る」と話した。43カ国でグループ会社を展開していることから、会長兼最高経営責任者(CEO)として関わり「リタイアするわけでなく、内部昇格させた社長兼最高執行責任者(COO)に(業務の)3~4割を分担したい」と表明した。
永守氏は「長男は46歳で、仮に(社長の座を)渡すならこれくらいの人でないとおかしい。また社長に戻ることは避けたい」と説明した。永守氏は2018年に京都学園大学の経営に乗り出すなど人材育成に取り組む。
日本電産の19年3月期の設備投資は「1500億円と過去最大の水準になる」と述べた。今後3年間は同水準の投資を続ける。日本やベトナムでロボット部品、中国では家電用の省エネモーターと車の駆動用モーターの生産能力を増強する。
25年までに総額2千億円を投資し、京都府向日市でグループ会社の本社機能や研究所を集約する方針も正式に表明した。
◎長男後継の可能性は?
まず、「後任人事」の時期に全く触れていない。これは苦しい。仮に「時期は全く分からない」と永守氏が述べているのならば、そう書くべきだ。記者会見であれば「時期についてはどうか」と質問する機会もあったのではないか。
最も気になるのは、長男への世襲を考えているかどうかだ。ここは会見で斬り込んでほしいところだが、記事からはその様子が窺えない。「長男は46歳で、仮に(社長の座を)渡すならこれくらいの人でないとおかしい」との発言からは「長男への世襲を断言しないまま、何となく世襲に向けた雰囲気作りをしていきた」との永守氏の意図を感じる。
会見に参加していたならば「COOの最有力候補は長男だと考えていいのか」といった質問をぶつけたい。日経の記者はそうした質問をしなかったのか。あるいは、質問をしたのに、その回答を記事にしなかったのか。いずれにしても記事の内容は踏み込み不足だ。
終盤の設備投資の話を削ってでも「永守氏が世襲についてどう考えているのか」に触れるべきだ。会見で永守氏が世襲に関して曖昧な物言いをした場合は、それを紹介した上で、長男のCOO就任の可能性はどの程度か、記者自身の見方でも関係者の見方でもいいので入れてほしかった。そうすれば、もっと読み応えのある記事になったはずだ。
※今回取り上げた記事「日本電産・永守氏、『長男の世代に若返り』 後任人事に言及」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180110&ng=DGKKZO25464540Z00C18A1TJ1000
※記事の評価はC(平均的)。
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