2017年11月23日木曜日

業界紙なら分かるが…日経「プリンスホテル、タイで訪日客誘致」

23日の日本経済新聞朝刊アジアBiz面に載った「プリンスホテル、タイで訪日客誘致 VRでスキー体験」という記事(筆者はバンコク支局の岸本まりみ記者)には、悪い意味で驚かされた。プリンスホテルがバンコクでメディア関係者などを招いて開いたイベントの様子を紹介するだけの中身だ。ホテル関係の業界紙ならば分かるが、日経で取り上げる話とは思えない。それを小囲みにしてわざわざ目立たせるとは…。この記事を読者に届けることに整理部も含めて誰も問題を感じなかったのか。
平塚川添遺跡公園(福岡県朝倉市)
       ※写真と本文は無関係です

記事の全文は以下の通り。

【日経の記事】

プリンスホテルは22日までに、タイの首都バンコクで現地メディアやブロガーを招き、訪日客誘致のイベントを開いた。スキーを体験できる仮想現実感(VR)や雪国の伝統衣装「みの」などで日本の魅力をアピールした。

イベントには現地メディアなどから54人が参加。10月に開業した「名古屋プリンスホテル スカイタワー」に合わせて提供された串カツなどの名古屋名物を味わった。冬の観光シーズンに合わせ、VRゴーグルを装着し、プリンスホテルが運営するスキー場でのスキー映像を楽しんだ

プリンスホテルの2016年度の国内宿泊施設における外国人比率は約24%で、タイからの宿泊者は台湾、中国、韓国、香港に次いで5番目に多かった。


◎ニュース価値ある?

プリンスホテル」が「バンコクで現地メディアやブロガーを招き、訪日客誘致のイベントを開いた」ことに何のニュース価値があるのか。岸本記者はイベントに参加した「54人」の中の1人で「串カツなどの名古屋名物を味わった」のかもしれない。だが、それを日経の読者に伝える意味があるとは思えない。

見出しに出てくる「VRでスキー体験」とは、イベントに参加したメディア関係者が「VRゴーグルを装着し、プリンスホテルが運営するスキー場でのスキー映像を楽しんだ」という話だ。プリンスホテルが訪日客に「VRでスキー体験」をしてもらうのならば、まだ記事にするのも分かる。メディア向けのイベントでメディア関係者が「VRでスキー体験」をしたから何だと言うのか。

22日までに」という書き方から判断すると、イベントの開催日は21日かそれより前なのだろう。ニュース価値がない上に少し古くなった話を小囲みにして読者に届けるとは…。作り手の気が知れない。


※今回取り上げた記事「プリンスホテル、タイで訪日客誘致 VRでスキー体験
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171123&ng=DGKKZO23800240S7A121C1FFE000


※記事の評価はD(問題あり)。岸本まりみ記者への評価も暫定でDとする。

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