キリンビール福岡工場(朝倉市)のコスモス ※写真と本文は無関係です |
【日経BP社への問い合わせ】
日経ビジネス編集部 藤村広平様
10月30号の特集「コンビニ大試練」に関して、いくつか指摘させていただきます。28ページに「いずれもクルマで数分という近場で開業したため、自店の売り上げはみるみるうちに減っっていった」との記述があります。「っ」が1つ余計です。
付け加えると、29ページの「問題はその一方で、オーナーの生活を左右する1店舗あたりの売上高の伸びが、20年前から伸び悩んでいる(28ページ右上のグラフ)という点だ」とのくだりの「伸びが伸び悩んでいる」という表現にはダブり感があります。「売上高が20年前から伸び悩んでいる」「売上高の伸びが20年前から鈍っている」などとした方が自然だと思えますが、いかがでしょうか。
さらに瑣末なことで1つ注文を付けておきます。28ページに出ている大手チェーン3社の「店舗当たり売上高の推移」を示したグラフでは、ローソンを青色、ファミリーマートを緑色で表していますが、この2つが判別しにくい気がします。今後は、もっと違いが明確に分かるような色を選んでもらえると助かります。
問題点を挙げてはみたものの、特集全体としては評価できる内容でした。さらにレベルの高い特集を作り上げていく上で、今回の指摘を参考にしていただければ幸いです。
◇ ◇ ◇
問い合わせの内容は以上だが、ついでにもう1つ気になる点を記しておきたい。ファミリーマートの深夜営業取り止めの話だ。藤村記者は「『24時間営業の掟』ついに破られた!!!~揺らぐ成功モデル」という記事の中で以下のように書いている。
【日経ビジネスの記事】
同店(=京都市のファミリーマート加盟店)が閉店するようになったのは今年7月。オープン当初から当たり前のように24時間営業を続けてきたが、ここ数年で人手不足が深刻になった。人件費も上昇し、来店客の少ない深夜まで営業する余裕がなくなった。6月末、同店はFC(フランチャイズチェーン)契約を結ぶファミマ本部と営業時間の変更について合意。午前6時から翌日午前1時の19時間営業に移行した。
24時間営業の縮小を探る動きは、ファミリーレストランなど他の業界にもある。だがコンビニ業界においては、それらと比べ物にならない重い意味を持つ。24時間営業はコンビニの象徴というだけでなく、FC加盟店と本部が「運命共同体」として事業を運営するという、ビジネスモデルの根幹にもふれる問題だからだ。
大手チェーンは1980年代以降、「24時間営業の掟」をかたくなに守ってきた。それが破られたことは、加盟店の苦境を象徴する。そしてその苦境がいま、加盟店と本部の関係をきしませている。
◎営業時間変更はどっち主導?
記事の書き方からすると、「深夜まで営業する余裕がなくなった」加盟店が本部に掛け合って24時間営業をやめたと受け取れる。つまり加盟店主導だ。
原鶴温泉(福岡県朝倉市) ※写真と本文は無関係です |
しかし、「INTERVIEW『コンビニの今後』3社でこんなに違う!」という記事で、ファミリーマートの沢田貴司社長は「すでに一部店舗では、24時間営業をやめた場合どれだけ人件費を削れるのか、その一方で売り上げはどれほど落ちるのかを検証する実験を始めた」と述べている。
この発言からは「24時間営業をやめた」のは影響を検証する実験のためで、あくまで本部主導の動きだと感じる。実際のところはどうなのか、特集の中で触れてほしかった。また、「24時間営業をやめた」店舗が何店ぐらいあるのかも情報としては入れたいところだ。
※今回取り上げた特集「最強社会『インフラ』コンビニ大試練」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/special/102400800/?ST=pc
※特集の評価はB(優れている)。藤村広平記者への評価は暫定D(問題あり)から暫定Bへ引き上げる。藤村記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。
読むに値しない日経ビジネス藤村広平記者の「時事深層」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/08/blog-post_30.html
0 件のコメント:
コメントを投稿