九州北部豪雨で被害を受けた「三連水車の里あさくら」 (福岡県朝倉市)※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
「奄美に来るとすごくよく眠れる。子供のころから」。日本映画を背負う若手女優の1人はそう言って笑う。
◎31歳で「若手女優」?
満島ひかりは「1985年生まれ」で31歳。「2009年『愛のむきだし』で注目」されたとすると、そこからでも8年が経っている。なのに「若手女優」なのか。明確な境界線がないのは分かるが、一般的に言えば20代前半までではないか。
古賀編集委員は社内でもポジションを確立していて、かなり自由に記事が書けるのだろう。それが災いしているのか、説明が不十分な記述も散見された。ついでに、いくつか指摘しておこう。
【日経の記事】
その後、結婚を経て「芝居との距離がよくわからなくなった。自分の芝居が形にされている気がして。わからないことがしたくてやってたのに」。「海辺の生と死」を読み「もうそんなこと言ってられない映画が来た。自分で自分を暴くぞ、と思った」。再び限界に挑んだ満島。いつか「死の棘」にも挑んでほしい。
◎唐突に「死の棘」では…
上記の書き方だと満島ひかりには夫がいる印象を受ける。実際は昨年に離婚しているようだ。結婚に触れるのならば、その後の離婚も読者に伝えておくべきだろう。
九州北部豪雨後の筑後川(福岡県朝倉市) ※写真と本文は無関係です |
唐突に「いつか『死の棘』にも挑んでほしい」と出てくるのも頂けない。自由自在に書き過ぎだ。今回の記事は「海辺の生と死」という映画が主題になっていて、その原作者が島尾ミホ。記事中に「夫・島尾敏雄の小説の要素も加え」という記述はあるが、他では「島尾敏雄」に言及していない。
「死の棘」とは「島尾敏雄」の代表作らしい。古賀編集委員にとっては自明の話なのだろう。だが、読者にとってもそうだと考えるのは無理がある。こういう書き方からは「自分が分かっていることは読者も分かっているはずだ」との前提を感じる。そうした不親切さが残る限り、古賀編集委員が優れた書き手になることはないはずだ。
※今回取り上げた記事「challenger Interview 満島ひかりさん 女優~役者は嘘のない詐欺師。島ではそれができた」
※記事の評価はD(問題あり)。古賀重樹編集委員への評価も暫定でDとする。
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