有明海沿岸道路(福岡県大牟田市) ※写真と本文は無関係です |
記事の当該部分を見てみよう。
【日経の記事】
インドの代表的な株価指数、SENSEXは今月、2年ぶりに史上最高値を更新した。市場がグローバルマネーを巻き込んで経済全体を底上げしてきた結果だ。
1988年の株式時価総額は、国内総生産(GDP)の8%にすぎなかった。それが昨年の71%まで上昇し、株式市場の存在感は高まった。外国への市場開放など改革を進めた結果だ。同国経済の原動力である起業家精神も、株式公開の舞台が育ったからこそだ。
◎「底上げ」できていないような…
「市場がグローバルマネーを巻き込んで経済全体を底上げしてきた結果」として、「1988年の株式時価総額は、国内総生産(GDP)の8%にすぎなかった。それが昨年の71%まで上昇し、株式市場の存在感は高まった」と梶原氏は解説する。だが、これは奇妙だ。
普通に考えれば、「市場がグローバルマネーを巻き込んで経済全体を底上げ」してくれる存在ならば、株式時価総額の伸びと歩調を合わせてGDPが増えても良さそうなものだ。しかし、GDPの伸びは時価総額に大きく後れを取っている。
「GDPの伸びは低水準だが、それでも伸びたのは『市場がグローバルマネーを巻き込んで経済全体を底上げしてきた』からだ」との弁明はできる。だが、そう信じられる根拠は示していない。インドの場合は「株式市場が盛り上がっているのと比べると、経済全体は底上げされていない」と解釈する方が自然だ。
記事に付けたグラフでは「株式市場はインド経済をけん引した」とのタイトルを付けて、「インド株相場」と「時価総額のGDP比」を見せている。ここからは「時価総額のGDP比が上昇する=インド経済が伸びている」との印象を受ける。しかし、そういう関係は成り立たない。GDPの伸び率が株式時価総額の増加率を上回ると、この比率は低下する。だからと言って、インド経済が成長していないわけではない。
一般的に「時価総額のGDP比」は株式相場の過熱感を見る指標として使われる。なので「株式相場の上昇は経済成長のスピードを上回っており、割高感が出てきている」といった解説はできるかもしれない。だが、「株式市場はインド経済をけん引した」のかどうかを読み取るのは無理がある。
※今回取り上げた記事「Deep Insight~グローバル・ファーストへ 」
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170419&ng=DGKKZO15469790Y7A410C1TCR000
※この記事については以下の投稿も参照してほしい。
日経 梶原誠氏「グローバル・ファーストへ」の問題点
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/04/blog-post_64.html
※梶原誠氏については以下の投稿も参照してほしい。
日経 梶原誠編集委員に感じる限界
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_14.html
読む方も辛い 日経 梶原誠編集委員の「一目均衡」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html
日経 梶原誠編集委員の「一目均衡」に見えるご都合主義
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/05/blog-post_17.html
ネタに困って自己複製に走る日経 梶原誠編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/05/blog-post_18.html
似た中身で3回?日経 梶原誠編集委員に残る流用疑惑
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/05/blog-post_19.html
勝者なのに「善戦」? 日経 梶原誠編集委員「内向く世界」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_26.html
国防費は「歳入」の一部? 日経 梶原誠編集委員の誤り
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_23.html
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