2016年12月28日水曜日

FACTAに問う「ミス放置」元日経編集委員 大西康之氏起用

元日本経済新聞編集委員の大西康之氏がFACTAで記事を書いているのをよく見かける。これはまずい。日経時代に記事中の明らかな誤りを放置した大西氏に関しては、記事の作り手としての資質を決定的に欠いていると評価している。そこでFACTAに質問を送ってみた。
角島大橋(山口県下関市) ※写真と本文は無関係です

「大西氏がそんな書き手だったとは…」という話ならば、FACTAには何の問題もない。少し調べれば簡単に事実確認できるはずだ。その上で執筆陣から外せばいい。

もちろん、こちらの事実誤認を指摘してもらっても構わない。万が一、大西氏が自らの対応を反省しているのであれば、それを大西氏が広く世の中に発信した上で再出発する手もある。だが、何もなかったかのように大西氏が記事を書き続ける選択を認める気にはなれない。


【FACTAへの問い合わせ】

発行人兼編集主幹 阿部重夫様  編集長 宮嶋巌様

「あなたの車も『エアバッグが危ない』」という記事を書いている、ジャーナリストで元日本経済新聞編集委員の大西康之氏を筆者として起用していることに関してお尋ねします。

まず、以下の事実はご存じでしょうか。

2012年5月21日付の日経朝刊総合・政治面に掲載された「迫真 危機の電子立国~シャープの決断(1)」という記事の中で、大西編集委員はシャープと鴻海精密工業(台湾)の提携に触れて「今年、創業100年を迎えるシャープが、日本の電機大手として初めて国際提携に踏み込んだ瞬間である」と描写しています。

これは明らかな誤りです。2012年より前にソニーとサムスンは液晶パネル事業で提携していました。この提携に関して「日本の電機大手による国際提携とは言えない」と主張するのは難しいでしょう。

22日付の(2)でも大西編集委員はシャープと鴻海の提携について「日本の電機産業として初めてとなる国際資本提携」と説明しています。ここでは「大手」とも限定していません。大手以外も含めれば、日本の電機メーカーが出資を受け入れた事例は珍しくありません。

しかし、担当デスクだった藤賀三雄氏は「これまでの電機メーカーの個別の事業分野に限定した提携や合弁事業とは一線を画す提携という意味で、初の国際提携と書いたものです」と日経社内で主張し、誤りを認めませんでした。大西氏は私が知る限りでは沈黙していたので、藤賀氏と同じ立場なのでしょう。

電機産業を担当する編集委員が「日本の電機大手として初めて国際提携に踏み込んだ瞬間」と誤解していただけでもお粗末な話ですが、間違いは誰にもあるので、そこを責めるつもりはありません。ただ、大西氏は誤りを認めず、周囲から反省を求められても読者軽視の姿勢を貫きました。記事の作り手としての資質を決定的に欠いていると評するしかありません。

御誌では、こうした事実を踏まえた上でも「大西氏はFACTAの執筆者に相応しい」と判断しているのでしょうか。だとしたら、御誌への評価も見直さざるをえません。

FACTA1月号の記事で大西氏は以下のように記事を締めています。

「エアバッグにまつわる真実が明らかになった今、『危険なエアバッグ』を野放しにしてきたことで起きた事故の責任に、どう答えるのか。自動車メーカーはタカタを人身御供にして、やり過ごす算段だろうが、一度開きかけたパンドラの箱が閉まるとは思えない」

大西氏の過去を知った上で記事を読むと、説得力はゼロです。記事中の明らかな誤りを放置してきた「責任に、どう答えるのか」と逆に大西氏に聞きたくなります。知らぬ顔をしたまま時の流れに身を任せて「やり過ごす算段」でしょうが、我々はそれを許してよいのでしょうか。

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※この問い合わせは12月25日に送ったものだ。ほぼ3日が経った段階で回答はない。日経OBの阿部氏を含めてFACTA編集部が正しい判断をできるように祈りたい。


※大西氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経ビジネス 大西康之編集委員 F評価の理由
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_49.html

大西康之編集委員が誤解する「ホンダの英語公用化」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/07/blog-post_71.html

東芝批判の資格ある? 日経ビジネス 大西康之編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/07/blog-post_74.html

日経ビジネス大西康之編集委員「ニュースを突く」に見える矛盾
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/01/blog-post_31.html



※今回の件に関しては以下の投稿も参照してほしい。

記事の誤りに「説明なし」 宮嶋巌FACTA編集長へ贈る言葉
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/facta.html

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