経済メディアによる2016年1~3月の最優秀記事は、週刊東洋経済1月16日号の巻頭特集「
独占追跡~村上強制調査」としたい。村上世彰氏が相場操縦の疑いで証券取引等監視委員会の強制調査を受けた件では、メディア全体として続報の少ない中で、東洋経済の丹念な取材が印象に残った。この特集を担当した山田雄一郎記者、島大輔記者、渡辺拓未記者の3人を1~3月の最優秀の書き手とする。
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合所ダム近くの橋(福岡県うきは市) ※写真と本文は無関係です |
一方、最悪の記事は1月5~8日に日本経済新聞夕刊マーケット・投資2面で連載した「
なるほど投資講座~長期投資のすすめ」になる。筆者である独立系運用会社レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏は投資信託の信託報酬に関して「
運用資産に対して年0.5~3%程度の幅があります」と説明しているが、実際は0.1%前後の投信も珍しくないので下限の「
0.5%」は間違いと言っていい。この件では日経に問い合わせをしたものの、例によって回答はなかった。
よって、1~3月の最悪の書き手も藤野氏とする。投資に関して同氏の知識が不足しているわけではないだろう。ただ、投信を売る側の人なので、自社に都合の悪いことは書きたがっていないように見えた。藤野氏は独立運用会社の社長としてはきちんと役割を果たしているのかもしれない。しかし、「
長期投資のすすめ」とのタイトルで投資の解説記事を書くのには不適格だ。その点で、藤野氏を筆者に選んだ日経の責任は重い。
※上記の件では「こんな特集を待っていた 東洋経済『独占追跡 村上強制調査』」「日経『なるほど投資講座』藤野英人氏は長期投資を推すが…」「誤りも確信犯? 日経『なるほど投資講座』の藤野英人氏」を参照してほしい。
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