2016年1月26日火曜日

「孤高のココイチ」書いた東洋経済 常盤有未記者に助言(1)

週刊東洋経済1月30日号に載った「個客対応力が支持の秘密だった 孤高のココイチここにあり!」は出来の悪い記事ではない。ただ、カレーハウスCoCo壱番屋について「カレー店では完全な1強」「その存在は圧倒的だ」と書いているのに、「なぜそこまでココイチが強いのか」の説明が物足りない。筆者の常盤有未記者に言わせれば「個客対応力が支持の秘密」なのだろうが、分析が甘すぎる。常盤記者への助言という形で記事に注文を付けてみたい。

筑後川サイクリングロード(福岡県久留米市)
               ※写真と本文は無関係です
◆常盤有未記者への助言◆

孤高のココイチここにあり!」という記事では、ココイチをカレー店チェーンの中での「完全な1強」と説明しています。記事によると、店舗数はココイチが1380店で2位のゴーゴーカレーが約70店なので、「1強」は疑いようがありません。では、なぜココイチが強いのでしょうか。それを説明してるのが以下のくだりです。

【東洋経済の記事】

ココイチを展開する壱番屋の浜島俊哉社長も、「うちが扱っているカレーは家庭で食べられる味。そういう意味では参入障壁はない」と言ってのける。だからこそ、自分だけの組み合わせを楽しめるカスタマイズが肝になる。「家庭ではちょっと面倒だなということをうちがやっている。カレーライスを作るときにトンカツ揚げないでしょう?(笑)。子どもの辛さに合わせるとお父さんが我慢することになる」。

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記事には「ココイチのカレーが人気を集める最大の理由は、ご飯の量、辛さと甘さ、上にのせる具材などを思う思いに注文できるカスタマイズ方式にある」とも書いているので、「ココイチの競争力の源泉はカスタマイズ方式」と常盤記者が見ているのは間違いないでしょう。

例えばココイチが最近になって注目を集め始めた新興チェーンならば、この説明でいいかもしれません。しかし、ココイチは歴史も長く、しかもカレー店では「完全な1強」なのです。カスタマイズ方式が強さの秘密ならば、真似するところが出てきても不思議ではありません。普通に考えれば、模倣はそれほど難しくなさそうです。

「いや。そうじゃない。簡単には真似できない。非常に難しいことなんだ」というのであれば、そこを解説すべきです。カスタマイズ方式が他のチェーンでもよく見られるのならば、「ココイチのカスタマイズは他社とどう違うのか」「なぜ他社はココイチと同じやり方にしないのか」を分析してほしいのです。

記事には他にも気になった部分があります。それについては(2)で述べます。

※(2)へ続く。

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