英彦山の登山道(福岡県添田町) ※写真と本文は無関係です |
【日経ビジネスへの問い合わせ】
58~61ページの記事についてお尋ねします。
1、60ページに「2001年3月になって金融緩和策に切り替えたが、規模は小さく、2006年3月にはそれも終了してしまった」と書かれていますが、切り替えたのは「量的緩和政策」ではありませんか。記事に付いている表では「日銀、量的緩和政策を実施=01年3月」「日銀、量的緩和政策を終了=06年3月」となっています。記事が正しいとすると、01年3月に引き締め策から緩和策へ転換したと受け取れますが、実際の経緯と一致しません。
2、記事に付けた表で「1999年2月 日銀、ゼロ金利政策実施 日銀が金融緩和に乗り出した」となっています。この書き方だと「それまでは金融緩和に乗り出していなかった」と解釈できますが、実際には1991年7月に公定歩合を引き下げて、金融緩和に乗り出しています。記事の説明は誤りではありませんか。
3、59ページに「日本では旧三洋証券が会社更生法の適用を申請した。その約3週間後に旧山一証券が自主廃業を決め、後を追うように旧北海道拓殖銀行が経営破綻、深刻な金融危機に陥った。翌98年には日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が公的管理に入り」と書かれています。三洋証券、山一証券、拓銀には「旧」を付けていますが、長銀と日債銀には「旧」がありません。この理由は何でしょうか。一般的に、会社自体が消滅した山一証券などには「旧」が不要で、名称を変えて現存する長銀や日債銀には「旧」があった方がよいと思えます。
※以下は回答を求めるものではありません。今後の参考にしてください。
4、記事に付けた表で「2014年10月 FRBがQE3を終了へ FRBが金融緩和政策の終了を決めた」と表記されています。これはやや意見の分かれるところですが、一般的には「量的緩和政策の終了=金融緩和政策の終了」とは考えないはずです。量的緩和終了後もゼロ金利政策が継続されるのであれば、「金融緩和は続いている」と見るのが自然です。
5、61ページに「日本企業が保有する現預金は、今年1~3月期には240兆円にも達している」との記述があります。この「240兆円」は3月末の数字でしょう。ならば「3月末で240兆円」と表記した方が適切です。
6、61ページに「設備投資については今年度、前期比で10.9%増やす」との記述があります。「今年度」であれば「前期比」ではなく「前年度比」の方が適切です。
7、59ページに「日本経済にまとわりつくデフレスパイラル」との記述があります。この書き方だと「現在も日本経済はデフレスパイラルの中にいる」と解釈できます。「現在もデフレが続いているかどうか」は議論の対象になるでしょうが、「デフレスパイラルかどうか」に関しては、議論が成立しないはずです。現状を「デフレスパイラル」と見ているエコノミストはまずいないでしょう。
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田村編集委員のデフレ分析については(2)で論じる。上記の問い合わせに対する回答があれば、それも併せて紹介したい。
※(2)へ続く。
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