ルクセンブルク旧市街 ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
ちょっぴり高い使い捨てのグラスや食器が人気だ。ガラス製より手軽に使え、紙製より高級感がある商品を買い求める人が増えている。割高な使い捨ての食器がなぜ売れているのだろうか。ネットと人々の生活が身近になったことが需要を広げている。
輸入雑貨販売のアームカンパニー(東京・世田谷)が販売する米モザイクのプラスチック製ワイングラスやシャンパングラスの売上高は今年5月以降、前年比2倍になっている。「ホームパーティー向け需要が増えている」(斎藤有弘社長)
ホームパーティーの様子を交流サイト(SNS)に投稿する人が増加、写真の見栄えが良くなるのも人気の背景にある。SNSに写真を投稿する際に紙コップではさみしいが、ぱっと目で豪華さが出る。
消費行動の変化や景気回復も割高な使い捨て商品が売れる要因となっている。東日本大震災以降、外食を控えて、自分で作ったり、総菜や弁当を買ってきて家で食事をする人が増えたといわれた。ここにきて、景気も持ち直し、消費は回復傾向にある。そのため、ホームパーティーでも割高な商品を使う人が増えているとみられる。
上記のくだりだけでも疑問が次々に浮かぶ。値段が高めのプラスチック製グラスが人気になっている理由として「ホームパーティーの様子を交流サイト(SNS)に投稿する人が増加、写真の見栄えが良くなるのも人気の背景にある」と書いている。確かに紙コップでは見た目が良くないかもしれないが、ガラス製のグラスを使えば済む話だ。「ホームパーティーでも割高な商品を使う人が増えているとみられる」と筆者は言うが、ならば高級なガラス製のグラスに需要が向かってもいいのではないか。そうならず、プラスチック製の使い捨てグラスの人気が高まる理由がよく分からない。
「ガラス製より手軽」というのが手がかりだが、「見た目にこだわるのに、ガラス製は嫌」となる要因としては弱い。ガラス製よりプラスチック製の方が見た目が良いのなら話は別だ。しかし、そうは書いていない。
しかも、人気の根拠としているのが「輸入雑貨販売のアームカンパニー」の売上高で、「今年5月以降、前年比2倍」らしい。4月までどうだったのかが気になるが、とりあえず「5月からいきなり人気が盛り上がった」と仮定しよう。それだと「景気も持ち直し、消費は回復傾向にある」ことが主な理由とは考えにくい。景気も消費もそれほど劇的には持ち直していないからだ。SNSにパーティーの様子を投稿する習慣も、ここにきて急に広がっているわけでなない。5月から販売倍増という劇的な変化がなぜ起きたのかに関しては、分析が足りない。
さらに言えば「ぱっと目で豪華さが出る」という表現が引っかかる。これについては(2)で述べる。
※(2)に続く。
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