2015年8月30日日曜日

東洋経済「郵政上場特集」 せっかくの力作なのに…(1)

今後ますます誤字脱字のないよう、細心の注意を払って参ります」という東洋経済の回答は、行動を伴うものではなかったようだ。東洋経済9月5日号の「郵政上場特集」では、8月29日号に続いて「重し」を「重荷」の意味で使っていた。特集自体は46ページにわたる力作で、内容も全体として充実していた。全て読むのに時間はかかったが、読み進めるのが辛いとは思わなかった。ただ、「重し」の例のように、いくつか気になる点があった。そこが惜しい。まずは「重し」に関する部分から見ていこう。


【東洋経済の記事】
アムステルダム市立美術館 ※写真と本文は無関係です

ユニバーサルサービスのインフラである全国約2万4000の郵便局の存在が収益の重しになっている面もありそうだ。 (51ページ)

ユニバーサルサービス 2600億円超の維持費用が重し (87ページ見出し)


8月29日号の「ライザップの真実」という記事では「豆乳クッキーへの過大な依存は危険だと認識していた瀬戸は、M&A(合併・買収)で新たな商品・事業を模索していた。しかし、この買収資金が重しとなった」と書いていた。「重し」とは「物を押さえるのに用いる石など」を指すので、「物事を安定させる存在」を「重し」と呼ぶのは問題ないが、「重い負担」の意味で用いるのは誤りだ。

東洋経済からは「ご指摘のとおり『重し』ではなく、『重荷』とすべきでした。深くお詫び申し上げます」との回答を8月24日に得ている。その段階で編集部内での情報共有ができていれば、9月5日号で同じミスを繰り返す事態は避けられたはずだ。


※(2)へ続く。「重し」に関しては「東洋経済の誠実な読者対応 『ライザップの真実』について」を参照してほしい。

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