オランダのマーストリヒト ※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
突然の解任宣告に、佃孝之社長(71)ら取締役は反撃にでる。翌28日午前に取締役会を招集。「法的手続きを踏んでいない」として、取締役解任の無効を確認。その上で、武雄氏が代表権を返上して、会長から名誉会長に退く人事を決めた。全7人の取締役のうち、武雄氏は欠席、昭夫氏は棄権し、5人の取締役が賛成した。
【日経への問い合わせ】
記事で「武雄氏が代表権を返上して、会長から名誉会長に退く人事を決めた」と書いていますが、この場合「返上」とするのは誤りではありませんか。この人事を決めた取締役会を武雄氏は欠席しており、代表権を剥奪された形です。「返上」とすると、武雄氏が自らの意思で返したことになってしまいます。前文では「武雄氏から代表権を外す人事を決めた」としており、これならば問題ありません。この問い合わせは、加藤宏一記者、宮住達朗記者、企業報道部担当デスク、記事審査部担当者・デスクに届けてください。
読売も「代表権返上」を使っており、「代表権を外される=代表権を返上する」と受け止める人も多いのだろう。しかし、例えばボクシングでチャンピオンが王座を「返上」した場合、本人の意思に反して王座を失うイメージはない。日経から回答が届く可能性はほとんどないので、記事の作り手がどう判断したのかは分からないままだろうが…。
ついでに言うと「ロッテ重光一族の乱」という見出しも引っかかった。これだと「ロッテの重光一族が何かの権力者に対し反乱を起こす」というイメージが湧く。「大塩平八郎の乱」と言えば、「大塩平八郎が起こした反乱」となるからだろう。今回のケースでは「ロッテ重光一族の内紛」などの方がしっくり来る。
また、株主総会で雌雄を決する場合、どちらが有利なのか全く分からないのも気になった。「株主総会、今後の焦点」という関連記事では以下のように書いている。
【日経の記事】
今後の焦点は株主総会だ。ロッテHDには武雄氏が代表を務める資産管理会社が約27%出資。さらに武雄氏や宏之氏、昭夫氏ら親族が直接出資しているほか、社員持ち株会なども株主として存在するとされる。宏之氏側とされる武雄氏の長女の英子氏も株主とみられ、波乱が予想される。
株主総会の開催日程は決まっていないが、今回の取締役会の決定に反発した宏之氏側が反撃に出てくる可能性がある。「経営者として誰がふさわしいのか。これまでの実績を訴えれば、株主は理解してくれるはずだ」。昭夫氏に近いロッテの幹部はこう話す。
記事の説明では、どちらが優勢なのか判断のしようがない。株主構成が明確には分からないのならば、それを記事中で明示してほしかった。
※記事は基本的にしっかり書けていたので、記事の評価はC(平均的)としたい。加藤宏一、宮住達朗の両記者の評価も暫定でCとする。
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