「こう書けば記事に問題は生じなかったと思えます」と芹川洋一論説委員長にメールで伝えたところ、以下のような返信があった。
デュルブイ(ベルギー)のウルセル伯爵城 ※写真と本文は無関係です |
そもそも雑報を書いているのではない。読者に訴えかけている原稿を、雑報と同じように書くわけがない。どうしたら普通の読者の頭にすっと入っていくかを考えて書いているつもりだ。それが、われわれの仕事でもある。
別にいろんなところから評価されたから、いいというものではないが、きょう、さまざまな反応があった中で、貴兄のメールは異色だった。新聞社だから、自由闊達は必要で、どしどし遠慮なく意見していいと思うし、言論の自由とは、言論の自由を否定するものをも認めることだ、と考えている。
だから、貴兄のメールはそれとして受けとめ、返事をした。しかし、そこには礼儀というものがあるはずだ。「問題は生じなかった」はないだろう。
花渕部長は編集局でも指折りの人格者で、見識もあり、仕事を一緒にやって、小生、畏敬の念を抱いている後輩だが、あえてCCで送っておく。花渕さん、煩わせて申し訳ありません。
ここで出てくる花渕敏氏は当時の私の上司だ。芹川氏としては「お前、何様のつもりだ。腹が立ったので、お前の上司にこの件を報告しておく。少しは自分の立場を考えろ」と伝えたかったのだろう。芹川氏からメールを受け取った花渕氏は、もちろんすぐに行動を起こした。以下は花渕氏が芹川氏と私に送ったメールの内容だ。
【花渕氏からのメール】
芹川論説委員長さま
花渕です。ccメールを拝受いたしました。
小生の目が行き届かなかったことも含め、申し上げる言葉が見つかりません。選挙戦に突入してきわめてご多忙ななか、わざわざご指導を頂戴しながら、ご不快な念を抱かせてしまいましたこと、誠に申し訳なく存じます。
外出先から直帰してしまいましたので、取り急ぎメールにて失礼いたします。
追って鹿毛さん
「個人的な判断で送付しており業務上の対応は不要」とありますが、芹川論説委員長に限らずこういうメールが送られた相手の方々は業務として対応されるわけです。何度も伝えていますが、明日おはなしします。どこに落ち度があったのか(あるいは「なかった」と考えるのか)、自らをふりかえっておいてください。
こうなるのは見えていた。社内の立場を考えれば、花渕氏は芹川氏に謝罪し私に圧力をかけるしかない。芹川氏の狙い通りだろう。問題は、上司を通じて圧力をかけるのが新聞社の論説委員長として適切かどうかだ。私としては、圧力に屈するわけにもいかないので、「自分の指摘に問題はないと考えている。芹川氏に謝罪するつもりはない」と花渕氏には伝えた。そこは芹川氏にとって予想外のようだった。
※(3)に続く。
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